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第4章 マドンナ

「……蓮、美和が見てる」
『……』
「すっげー見てくる」


後ずさりしてぇのに、ベッドのヘッドボードに背中を付けている体は身動き出来ない。
助けを求める俺に対して


『ヒメ、詳細はまた後で説明する』


一早く察した蓮が、いつもの冷静を取り戻した。


『俺は瑠璃には言わない。絶対言わない』
「てめぇ卑怯だぞ！」
『仕事中なんだ、もう切るわ』
「蓮！覚えてろ…」
『美和によろしく相棒。じゃーねバイバイ』


じゃーねバイバイ！？
唖然とする俺を置いて蓮は通話を切った。


「………」


別に銃口を向けられているわけじゃねぇけど
両手を上げて、そのままスマホをベッドに落とす。

別に俺逃げていたわけじゃねぇし、捕まる理由もないけど
犯人確保の現場みてぇな空気が漂っている。