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アンケートから生まれた Love story
第5章 スコール

内線一覧で、電話を掛けてきた社員名を見てみようかと思ったけど
そんな時間すら惜しくて、早々と退勤カードを切った。

謎のMDが言った通り、私には大事な予定が明日に控えている。


……4日前、月曜の朝
別れ際の彼の言葉が、頭の中で何度も繰り返される。


‟ ここであんたを無視することも出来るけど……なんかそれも出来ない。
長期出張から今朝帰国したばかりで、頭の整理が追い付かないんだ ”

‟ だから今は、気が向いたら、としか言えない。
さっきのカフェに午後3時。覚えてたら行く ”

‟ 約束しないからな。
恨むなよ?
週末までに考えて、冷静になったらマジで行かないから ”



約束しない、と突き放す言葉とは裏腹に

私が無理矢理渡した名刺をスーツのポケットに入れて、軽く手を上げて彼は去っていった。


名前も知らないし、連絡先も聞けていない。
だから彼の言う通り、彼が来なければこれ以上繋がることはない。


また大きくなる胸の鼓動。

都会の夜空に星は見えないけど、祈るような気持ちで家路に向かった。








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