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アンケートから生まれた Love story
第5章 スコール
* * *
そして、土曜日の午後。
梅雨が明けて、今週はずっと晴天が続いていたのに
見上げた一面どんよりとした雲に覆われていて、気分が浮かない。
まるで今日の結果を暗示するかのような空模様だから。
「……2時50分」
5日前と同じテラス席は、休日仕様で向かい合わせに並べられていて
パラソルの下のソファ席に1人腰掛け、私は溜息を洩らした。
……指定された時間まであと10分だけど、ここからあと何時間待てばいいかしら。
それとも待ったところで意味がないかな。
早々と諦めの境地でいないと、心臓がどうにかなってしまいそうだから。
長期戦に備えた単行本を取り出して、栞を外した……
……その時
「……!」
テーブルがカタッと軽い音を立てた。
その振動のした方向に視線を上げると
「………っ」
私の正面の席に、彼が現れた。