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アンケートから生まれた Love story
第5章 スコール
ふっと笑った彼が、正面の席に腰掛ける。
……どうしよう、胸が高鳴りっぱなしだ。
落ち着いて会話できる気がしない。
「……来て、くれないと思っていました」
絞り出すようにそう言うと
メニューを見ながら彼が肩をすくめた。
「そうだな、俺そのつもりだったんだけど。
突然状況が変わっちまって、選択肢が消えた」
「……へ?」
「先輩の命令は断れないだろ。
本当は月曜日中になんとかしろって言われたし」
「???」
「いや、いいんだ。
意味不明だし、俺自身が詳細を教えてもらってないから」
気にするなと言って軽く手を振って、店員にコーヒーをオーダーする彼。
その細い引き締まった腕に、細いブレスレットが巻かれている。
……凄い、なんだろう。
今度は違った意味で彼に釘付けになってしまう。
「雰囲気が、この前と違いますね……」
モノトーンのTシャツにシンプルなデニム。
たったそれだけなのにこの溢れる色気はどこから生まれるの?
髪型、この前より少し崩してる。
全身モデル体型だから、ラフなTシャツでもお洒落に見えるのかな。
「……かっこいい。
何もかもがすごく似合う」