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アンケートから生まれた Love story
第5章 スコール
「つーかさっき言ってた、あんたの条件ってなに…」
「ごめんなさい、もう出ましょう」
言葉を遮って、急いでテーブルの上にあった伝票を掴んだ。
雨雲の向こうから、小さく雷鳴が聞こえてくる。
「当然ですがここは私に支払いさせてください」
「……は?」
「今日は貴重なお休みに、本当に申し訳ありませんでした」
呆気に取られる彼の前で、バッグを持って立ち上がった。
「では、お先に失礼します」
「なんだそれ。まだ話が終わってねぇ…」
「か、雷の音がします!早く出なきゃ」
素早くソファ席から移動して、すぐ側にいた店員さんにピッタリの金額を渡した。
「おい…!」
背中に彼の声が聞こえたけど、一目散に走り出す。
一瞬にして、辺りが暗くなったかと思うと
驚く早さで雨粒が落ちてきた。
「……っ」
心臓がキリキリする。
全力疾走してるから当たり前だけど
それだけじゃない痛みが全身に広がる。