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小夜
第6章 あめにぬれて(承前)

助けて
「無駄だ」
小夜を助けて
「誰も小夜を助けない」
小夜は嫌
「小夜のからだは気持ちいいよ」
……誰か お願い 小夜を 愛して
「こんなに愛しあっているじゃないか」
闇の中 救いを求めてつぶやく言葉を
ひとつひとつ つぶされて
もう言葉は意味をなさず
小夜は揺さぶられ 泣きじゃくり
けだものに貪られる生贄として
苦しみ喘ぐ
ただそれだけの存在
それでも小夜は
救いを
愛を
虚空に向かって求め続けていたのです
ああ
今までもきっと そうだった
それはきっと 神への祈り
すがるべきものを すべてなくした
哀れな 惨めな 弱く 小さな者が
生きるための最後の抗いとしての
叫び
……そして
求める小夜に 啓示のように
それは小夜のからだにあらわれました
「無駄だ」
小夜を助けて
「誰も小夜を助けない」
小夜は嫌
「小夜のからだは気持ちいいよ」
……誰か お願い 小夜を 愛して
「こんなに愛しあっているじゃないか」
闇の中 救いを求めてつぶやく言葉を
ひとつひとつ つぶされて
もう言葉は意味をなさず
小夜は揺さぶられ 泣きじゃくり
けだものに貪られる生贄として
苦しみ喘ぐ
ただそれだけの存在
それでも小夜は
救いを
愛を
虚空に向かって求め続けていたのです
ああ
今までもきっと そうだった
それはきっと 神への祈り
すがるべきものを すべてなくした
哀れな 惨めな 弱く 小さな者が
生きるための最後の抗いとしての
叫び
……そして
求める小夜に 啓示のように
それは小夜のからだにあらわれました

