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飛べないあの子
第6章 番外編Ⅰ
西辻慧はパソコンの画面に表示された「合格」の文字を見て、ふー・・・・と息を吐いた。
やっと受験が終わった。試験には合格する自信があったし、勉強も苦じゃなかった。
何より辛かったのは凛とゆっくり過ごせないことだった。
どんなに大丈夫だと言っても凛は受験が終わるまでは職場以外で慧に会わないと言って、慧の誘いを頑なに断っていた。
一度だけ会いにきてくれたが、何か病気を移すようなことになったら大変だからとキスもさせてくれなかった。
大晦日と正月と、あんなに激しいセックスをしたというのに・・・・・・。
多少の勉強と食事以外はほとんど抱き合っていた。
凛は我を失うほどにイキまくって、気持ち良いと喘ぎ、好きと囁いた。
慧も体験したことのない満たされた気持ちになり、これからは恋人として遠慮なく触れ合えるのだと子どものように心を弾ませていた。
しかし、平常時の凛の態度が大きく変わることはなかった。
すぐにいつもの凛に戻って澄ました顔で慧と接していることが信じられなかった。
当然職場では他人のように振舞い、こっそり目配せしあうようなこともない。
連絡しても、会いたいや好きだといった色っぽさは全くなく、勉強はどうだ体調はどうだといった受験に関することばかり。
こうなったらさっさと受験を終わらせるしかない。万が一落ちて、また一年こんな状況が続くのかと思うとぞっとする。
この悶々と過ごす日々を一刻も早く終わらせたいという一心で、人生で一番集中して勉強した。
慧にしてみたら当然の結果であり、大喜びするようなことではなかった。
合格そのものよりも、合格を知って喜ぶ凛の姿が見たいという気持ちの方が強い。
今日は予備校の生徒たちの合否の連絡を受けるので、凛は忙しくしているだろう。
慧は凛に『合格した』というメッセージだけ送ると、恩師に電話した。
「よお、慧。合格おめでとう」
慧が中学、高校時代に世話になった家庭教師である糸田は、合否を報告する前にそう言った。
「・・・・・・先生、なんで合格ってわかるんです?まあ、合格しましたけど」
「お前が落ちるなら、受けた奴全員落ちる。そもそも、俺の教え子が落ちるわけがない」
相変わらずの物言いに、慧はふふっと笑った。
やっと受験が終わった。試験には合格する自信があったし、勉強も苦じゃなかった。
何より辛かったのは凛とゆっくり過ごせないことだった。
どんなに大丈夫だと言っても凛は受験が終わるまでは職場以外で慧に会わないと言って、慧の誘いを頑なに断っていた。
一度だけ会いにきてくれたが、何か病気を移すようなことになったら大変だからとキスもさせてくれなかった。
大晦日と正月と、あんなに激しいセックスをしたというのに・・・・・・。
多少の勉強と食事以外はほとんど抱き合っていた。
凛は我を失うほどにイキまくって、気持ち良いと喘ぎ、好きと囁いた。
慧も体験したことのない満たされた気持ちになり、これからは恋人として遠慮なく触れ合えるのだと子どものように心を弾ませていた。
しかし、平常時の凛の態度が大きく変わることはなかった。
すぐにいつもの凛に戻って澄ました顔で慧と接していることが信じられなかった。
当然職場では他人のように振舞い、こっそり目配せしあうようなこともない。
連絡しても、会いたいや好きだといった色っぽさは全くなく、勉強はどうだ体調はどうだといった受験に関することばかり。
こうなったらさっさと受験を終わらせるしかない。万が一落ちて、また一年こんな状況が続くのかと思うとぞっとする。
この悶々と過ごす日々を一刻も早く終わらせたいという一心で、人生で一番集中して勉強した。
慧にしてみたら当然の結果であり、大喜びするようなことではなかった。
合格そのものよりも、合格を知って喜ぶ凛の姿が見たいという気持ちの方が強い。
今日は予備校の生徒たちの合否の連絡を受けるので、凛は忙しくしているだろう。
慧は凛に『合格した』というメッセージだけ送ると、恩師に電話した。
「よお、慧。合格おめでとう」
慧が中学、高校時代に世話になった家庭教師である糸田は、合否を報告する前にそう言った。
「・・・・・・先生、なんで合格ってわかるんです?まあ、合格しましたけど」
「お前が落ちるなら、受けた奴全員落ちる。そもそも、俺の教え子が落ちるわけがない」
相変わらずの物言いに、慧はふふっと笑った。

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