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飛べないあの子
第6章 番外編Ⅰ
凛の体を抱きしめて、息を整える。
凛も細い腕で慧の体をきゅ・・・・・と抱きしめた。

こんなにも満たされるセックスができるのは相手が凛だからだとつくづく思う。
セックスの後の空虚な気持ちが訪れることはなく、よりいっそう愛しい気持ちが沸いてくる。

抱きしめ合ったまま、愛情を確認し合うように優しく唇を合わせる。

本当は露天風呂でもセックスしたかったが、凛はぐったりとして起き上がるのもつらそうだった。
露天風呂セックスは明日の朝にすることに決めて、体を洗い少しだけ湯に浸かると早々に上がって布団に入る。思ったより疲れていたようで、慧もすぐに眠りについた。





目が覚めると、部屋は薄暗く静まり返っていた。

ふと隣を見ると、凛がじっと天井を見つめている。
起きてたの、と声をかけようとして口をつぐんだ。

その眼差しは、あまりに凛としていて、美しく、慧が入っていけない世界を見つめているように見えたからだ。
何か強い意志を湛えたその眼差しは美しくもあり、凛が離れていってしまいそうに思えて慧を不安にさせた。

反射的に声をかける。

「おはよう」

凛は、ハッとして慧に視線を向けた。

「あ・・・・・・・おはよう」

凛は少し気まずいような戸惑った様子で目を泳がせた。

「どうしたの?何か考えてた?」
「うん・・・・・・・ちょっと・・・・・・」

凛は目を伏せて少し考えた後、むく・・・・・と起き上がって、慧の方に体を向けて正座した。
何か大事な話があるのだと、慧は身構えた。

「ずっと・・・・・・考えてたんだけど」
「うん・・・・・・」
「私も、もう一度受験しようと思うの。大学院に行きたいの」
「え・・・・・・?」

もしや別れ話かと不安に襲われていただけに、凛の告白に拍子抜けして咄嗟に言葉が出てこなかった。
凛は反対されるのかとでも思ったのか、慧の目を見ずに捲し立てるように続けた。
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