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飛べないあの子
第3章 届きそうな距離
慧が真面目な顔で凛を見つめた。
屈んで凛にだけ聞こえるように囁いた。

「中身は今のまま、あの頃に戻って高校生の中谷先生と一緒に文化祭まわりたい」
「・・・・・・・高校生の私は激しく抵抗しそうですね・・・・・・・」
「中谷先生も、中身は今のまま高校生に戻る設定だったら?抵抗します?」
「・・・・・・・・」

何て答えたら良いのだろうと思っていると、次の駅がアナウンスされる。凛が下りる駅だった。
凛は助かったといわんばかりに立ちあがった。

「あ・・・・・・じゃあ、次降りるので」

慧が逃げるのかというように若干非難したような目線を送る。

「・・・・・・抵抗、しませんよ」

凛は照れ隠しで、素っ気なく言った。
慧が優しく微笑んで頷いた。

お疲れさまでしたと言おうとした時、慧の隣に立っていたサラリーマン風の中年男性が凛が座っていた場所に座ろうとしてグイと思い切り二人を押しのける。
男性の足が凛の足を思い切り踏みつけた。

「いたッ・・・・・・!」

凛が転びそうになって、慧が咄嗟に体を支える。
慧が凛の顔を覗き込む。

「大丈夫!?」
「は、はい」

男性は何食わぬ顔で座って、漫画雑誌を読み始めた。
慧の鋭く冷ややかな目線が男性に注がれている。男性に何か言おうとするのを見て、凛はあわてて慧の腕を掴んで自分の方に向けた。

「大丈夫ですから」

慧の手は凛の腰にまわされたままだった。
凛が掴んでいた慧の腕を離すと、今度はその手で凛の手を掴んだ。

「足、痛いんじゃない?」

急に距離が近くなって、足の痛みどころではなかった。
凛は、何度も首を横に振った。

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