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飛べないあの子
第4章 刻まれるキス
母からの電話攻撃は止まらず、とうとう姉経由で説得してきた。
凛には姉と妹がいて、二つ上の姉の望は二十歳の時に消防士と結婚して子どもが二人いる。昔は母と一番折り合いが悪かったが、出産してからは子守をお願いする機会が増えたこともあって、頻繁に母と会っていた。妹は高校卒業と共に大阪で就職して彼氏と同棲している。母とは全然連絡を取っていないようだった。
昼休み、予備校の近くの公園のベンチで昼食を食べた後、望に電話した。
「凛、とりあえず一回会ってみなよ。それで気が合えば付き合えばいいんだし」
「いやだよ。そもそも私に結婚願望が全くないの、知ってるでしょ?」
「あんたはうちらの中で一番優秀な自慢の娘なんだから、ハイスペックと結婚させたいのよ」
「だからそこから間違ってるんだって。その自慢の娘は、世間では全く優秀じゃないんだよ」
「実態なんてどうでもいいのよ。お母さんは上っ面さえ取り繕えたらそれで満足なんだから。凛もさ、そんなに頑なに拒否しないで、つきあってる人がいるわけじゃないなら会ってみたら?意外と良い人かもよ?」
「・・・・・・・・今は仕事頑張りたいから・・・・・・・」
背後から子どもたちがペンギン~ペンギン~と叫ぶ声が聞こえてくる。
望がケラケラ笑う。
「ペンギン?」
「そうそう。今日テレビでやってたんだけど、ペンギン系女子って知ってる?それが凛みたいだって私が言ったもんだから」
「ペンギン系女子?」
「そう。ほら、犬系女子とかネコ系女子とか、動物で例えてタイプに分けるみたいなのあるじゃん。あれよ」
「・・・・・・そういうの全く興味ないから良く知らないけど、ペンギン系って無理矢理すぎない?どういう人のことなのか全然ピンとこないんだけど」
「ペンギンて空を飛べないじゃない?空を飛べないっていう現実を受け入れて、自分の出来ることで努力する子、みたいなことらしい。現実的で冷静。恋愛においても現実的で慎重でガツガツいかない・・・・・って凛のことじゃん!って笑っちゃった」
「・・・・・・・・」
凛には姉と妹がいて、二つ上の姉の望は二十歳の時に消防士と結婚して子どもが二人いる。昔は母と一番折り合いが悪かったが、出産してからは子守をお願いする機会が増えたこともあって、頻繁に母と会っていた。妹は高校卒業と共に大阪で就職して彼氏と同棲している。母とは全然連絡を取っていないようだった。
昼休み、予備校の近くの公園のベンチで昼食を食べた後、望に電話した。
「凛、とりあえず一回会ってみなよ。それで気が合えば付き合えばいいんだし」
「いやだよ。そもそも私に結婚願望が全くないの、知ってるでしょ?」
「あんたはうちらの中で一番優秀な自慢の娘なんだから、ハイスペックと結婚させたいのよ」
「だからそこから間違ってるんだって。その自慢の娘は、世間では全く優秀じゃないんだよ」
「実態なんてどうでもいいのよ。お母さんは上っ面さえ取り繕えたらそれで満足なんだから。凛もさ、そんなに頑なに拒否しないで、つきあってる人がいるわけじゃないなら会ってみたら?意外と良い人かもよ?」
「・・・・・・・・今は仕事頑張りたいから・・・・・・・」
背後から子どもたちがペンギン~ペンギン~と叫ぶ声が聞こえてくる。
望がケラケラ笑う。
「ペンギン?」
「そうそう。今日テレビでやってたんだけど、ペンギン系女子って知ってる?それが凛みたいだって私が言ったもんだから」
「ペンギン系女子?」
「そう。ほら、犬系女子とかネコ系女子とか、動物で例えてタイプに分けるみたいなのあるじゃん。あれよ」
「・・・・・・そういうの全く興味ないから良く知らないけど、ペンギン系って無理矢理すぎない?どういう人のことなのか全然ピンとこないんだけど」
「ペンギンて空を飛べないじゃない?空を飛べないっていう現実を受け入れて、自分の出来ることで努力する子、みたいなことらしい。現実的で冷静。恋愛においても現実的で慎重でガツガツいかない・・・・・って凛のことじゃん!って笑っちゃった」
「・・・・・・・・」