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飛べないあの子
第5章 EpisodeⅤ

「確かになかなかの破壊力だね」
「?」
「湯上り姿にムラムラするって話」

慧が凛の唇を唇で挟んで、その柔らかさを味わっている。
舌が入ってきそうで入ってこない。
はやくゆっくりキスを楽しみたいと思う一方で空腹なことが気になって仕方ない。

(はやくピザ食べたい・・・・・・・)

キスが上の空だったことが見透かされていたようで、慧は唇を離すとクスクスと笑った。

「ピザのことしか頭になさそうな顔してる」
「・・・・・・そんなことない」
「ピザに嫉妬したの初めてだな」

慧は凛を椅子に座らせると、ワイングラスを二つとワインのボトルとオープナーを持ってきて言った。

「飲む?さっきの友人の一人が持ってきてくれたんだけど」
「いただいていいの?」
「いいよ」

慧はワインオープナーで素早くコルク開けると、ワインをグラスに注いでくれた。
凛は何のワインだろうと、ボトルを受け取ってラベルを見た。

「へ・・・・・・・!?ぺトリュス・・・・・!?」
「あいつらもっと高いワイン飲んでいったから気にしないで」
「気にしないでって・・・・・・宅配ピザのお共にしていいワインじゃないのでは・・・・・・。それに、私、ある程度の金額超えるとワインの違いわからないんだけど・・・・・」

自分なんかが飲んでいいのだろうかと凛は恐縮した。

「そんなの俺も一緒だよ。付き合いでワイン会ってのに入って一時勉強したけど結局良くわからないままだし」

慧はそう言うと、先ほどまでの宴会の片付けの続きを始めた。
凛はおずおずとワインを一口飲んでみた。

「・・・・・・美味しい!!」
「それは良かった」

凛は嬉々としてピザとワインを堪能した。

慧は一通り片付けを終えると、凛の隣に座った。
自分のグラスにワインを注ぎながら笑う。

「もう半分も無い」
「値段、怖いから言わないでね。あ、ピザのお金はちゃんと払う」
「そんなのいいよ。むしろ俺が電車代払いたいくらいなのに」
「それこそいらないよ。私が勝手にしたことだもん」

慧が凛を見ながらワインを口にする。
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