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飛べないあの子
第5章 EpisodeⅤ
「お母さん、大丈夫だった?」
「わからない。でも、お正月で使うつもりだったお金、バーンと置いてきたから大丈夫だと思う。いつもそのために呼ばれてるようなものだから」
「中谷さんでも、そうやって衝動的に行動することってあるんだね」
「自分でも驚いてる」
慧が凛の左手を握る。
「俺が寂しがってると思って来てくれたんでしょ?」
凛は恥ずかしくなってうつむいた。
「・・・・・・なんでそんな風に思ったのか・・・・・。なんか、西辻家の皆はワイワイ楽しそうに中華料理店で大晦日過ごしてるのに、西辻君一人なのかぁって思ったら・・・・・・。一人にしたくないって思って・・・・・・」
「俺が中谷さんに会いたいって強く想いすぎたかな」
慧がクスっと笑って凛の手の甲を親指で撫でた。
「え?」
「今日は朝からずっと会いたいなって思ってた。あいつらといても、なんとなく上の空っていうか・・・・・・。普通に話してても、頭のどこかで中谷さんのこと考えてて。そんな状態の時に、正義のヒーローみたいに現れるから」
「やめて・・・・・・。恥ずかしい・・・・・・」
凛は右手で目を覆った。
慧がその手も取って、ぎゅっと握る。
「本当に、俺、人生で一番嬉しかったかもしれない。色んなこと吹っ飛んで、君が好きだって気持ちがすごい溢れて・・・・・・」
慧が凛の唇にゆっくりキスした。ワインの香りがふわりと漂う。
「・・・・・・シャワー、浴びてくる。ワイン、そのくらいにしておいた方がいいよ」
「うん・・・・・・・」
そう言うとリビングから出て行った。
一人になって急に緊張感が増す。
空腹の問題が解消されて、次の問題が心を占めてきた。
(今から・・・・・・西辻君と、するのか・・・・・・)
全く実感が湧かなかった。部屋を見渡す。ドラマに出てきそうな、シックにコーディネートされたインテリア。全てのものが計算されて配置されていて、歪んでいるものが一つも無い。そもそも慧自体が洗練されすぎて現実的じゃないのだ。
(西辻君が彼氏・・・・・・。だめだ、彼氏というワードが全くしっくりこない・・・・・・)
「わからない。でも、お正月で使うつもりだったお金、バーンと置いてきたから大丈夫だと思う。いつもそのために呼ばれてるようなものだから」
「中谷さんでも、そうやって衝動的に行動することってあるんだね」
「自分でも驚いてる」
慧が凛の左手を握る。
「俺が寂しがってると思って来てくれたんでしょ?」
凛は恥ずかしくなってうつむいた。
「・・・・・・なんでそんな風に思ったのか・・・・・。なんか、西辻家の皆はワイワイ楽しそうに中華料理店で大晦日過ごしてるのに、西辻君一人なのかぁって思ったら・・・・・・。一人にしたくないって思って・・・・・・」
「俺が中谷さんに会いたいって強く想いすぎたかな」
慧がクスっと笑って凛の手の甲を親指で撫でた。
「え?」
「今日は朝からずっと会いたいなって思ってた。あいつらといても、なんとなく上の空っていうか・・・・・・。普通に話してても、頭のどこかで中谷さんのこと考えてて。そんな状態の時に、正義のヒーローみたいに現れるから」
「やめて・・・・・・。恥ずかしい・・・・・・」
凛は右手で目を覆った。
慧がその手も取って、ぎゅっと握る。
「本当に、俺、人生で一番嬉しかったかもしれない。色んなこと吹っ飛んで、君が好きだって気持ちがすごい溢れて・・・・・・」
慧が凛の唇にゆっくりキスした。ワインの香りがふわりと漂う。
「・・・・・・シャワー、浴びてくる。ワイン、そのくらいにしておいた方がいいよ」
「うん・・・・・・・」
そう言うとリビングから出て行った。
一人になって急に緊張感が増す。
空腹の問題が解消されて、次の問題が心を占めてきた。
(今から・・・・・・西辻君と、するのか・・・・・・)
全く実感が湧かなかった。部屋を見渡す。ドラマに出てきそうな、シックにコーディネートされたインテリア。全てのものが計算されて配置されていて、歪んでいるものが一つも無い。そもそも慧自体が洗練されすぎて現実的じゃないのだ。
(西辻君が彼氏・・・・・・。だめだ、彼氏というワードが全くしっくりこない・・・・・・)

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