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飛べないあの子
第2章 揺らぐ影
凛は模試の成績表を見て、ため息をついた。
担当している生徒の中で物理の成績だけガクンと落ちた子がいた。
橋本というその生徒は暗いイメージで友達がたくさんいるようなタイプではなかったが、勉強は真面目に取り組んでいて志望している大学にもこのままいけば合格できる実力があった。
それなのに、突然物理だけ落ちた。
一度ちゃんと話をしなくてはいけないと思っていた。
授業が終わって教室を出ると、その生徒が廊下で凛を待っていた。
「・・・・・先生、話があるんですけどいいですか?」
「もちろん。私からもあるからちょうど良かった。相談室行こうか」
二人で進路相談室に向かうが、既に講師と生徒でいっぱいだった。
仕方ないので校舎の端の廊下の隅で話をする。
「橋本くん。物理の成績のことなんだけど・・・・・・・。この前の模試の結果、良くなかったよね。何かあった?」
「・・・・・・・すみません」
「謝らないでいいのよ。何か問題あるなら遠慮せず言ってくれる?私の授業がわかりにくいとか、ご家庭のことでも・・・・・・」
橋本が突然凛の手をガッと掴んだ。
「え?」
「先生、僕とセックスしてくれませんか?」
突然のことに握られた手から強烈な悪寒が走った。
「な・・・・・に言って・・・・・・・」
「遠慮せずに言ってって言うから、言ったんです。先生も僕が嫌いですか?」
「嫌いじゃないけど・・・・・・・。そういうのは・・・・・・・・」
「先生、僕、先生の授業中いつもこっそりオナニーしてたんです。知ってるでしょう?」
橋本の手がスス・・・・・・と腕を這いあがってくる。
視線がぬめぬめと凛の全身を移動する。
さすがの凛も悲鳴を上げそうになって、寸前で堪えた。
「橋本くん・・・・・・待って・・・・・・!落ち着いて!」
「僕は落ち着いてます。落ち着いてないのは先生でしょ?先生とセックスしたくて頭おかしくなりそうなんです」
「・・・・・・・あのね、多分・・・・・疲れているんだと思う。受験生は色々と・・・・・・」
「親に言いますよ?物理の先生のパワハラのせいで成績下がったって。予備校やめたいって。僕やめたら先生も困りますよね?」
凛はショックを受けて言葉が出なかった。
遠慮がちに、でも真摯に質問してきていた橋本の顔が一気に崩れる。
担当している生徒の中で物理の成績だけガクンと落ちた子がいた。
橋本というその生徒は暗いイメージで友達がたくさんいるようなタイプではなかったが、勉強は真面目に取り組んでいて志望している大学にもこのままいけば合格できる実力があった。
それなのに、突然物理だけ落ちた。
一度ちゃんと話をしなくてはいけないと思っていた。
授業が終わって教室を出ると、その生徒が廊下で凛を待っていた。
「・・・・・先生、話があるんですけどいいですか?」
「もちろん。私からもあるからちょうど良かった。相談室行こうか」
二人で進路相談室に向かうが、既に講師と生徒でいっぱいだった。
仕方ないので校舎の端の廊下の隅で話をする。
「橋本くん。物理の成績のことなんだけど・・・・・・・。この前の模試の結果、良くなかったよね。何かあった?」
「・・・・・・・すみません」
「謝らないでいいのよ。何か問題あるなら遠慮せず言ってくれる?私の授業がわかりにくいとか、ご家庭のことでも・・・・・・」
橋本が突然凛の手をガッと掴んだ。
「え?」
「先生、僕とセックスしてくれませんか?」
突然のことに握られた手から強烈な悪寒が走った。
「な・・・・・に言って・・・・・・・」
「遠慮せずに言ってって言うから、言ったんです。先生も僕が嫌いですか?」
「嫌いじゃないけど・・・・・・・。そういうのは・・・・・・・・」
「先生、僕、先生の授業中いつもこっそりオナニーしてたんです。知ってるでしょう?」
橋本の手がスス・・・・・・と腕を這いあがってくる。
視線がぬめぬめと凛の全身を移動する。
さすがの凛も悲鳴を上げそうになって、寸前で堪えた。
「橋本くん・・・・・・待って・・・・・・!落ち着いて!」
「僕は落ち着いてます。落ち着いてないのは先生でしょ?先生とセックスしたくて頭おかしくなりそうなんです」
「・・・・・・・あのね、多分・・・・・疲れているんだと思う。受験生は色々と・・・・・・」
「親に言いますよ?物理の先生のパワハラのせいで成績下がったって。予備校やめたいって。僕やめたら先生も困りますよね?」
凛はショックを受けて言葉が出なかった。
遠慮がちに、でも真摯に質問してきていた橋本の顔が一気に崩れる。