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ごっこから何が生まれるのか
第1章 好みの男
二丁目のゲイバーに好みの男がいた。
こんな話どうでもいいかもしれないが、俺はゲイだ。ゲイバーに行っている時点で気付いているだろうが。今でこそ偏見の目は減ったのではないかと思う。そして、もっとどうでもいいかもしれないが俺の好みは長身で筋肉質、少しつり上がった切れ長の目。贅沢を言うならば、メガネにスーツを綺麗に着ているとポイントが高い。清潔感というのが大事だと思う。今日ね男は理想中の理想。逃がす訳には行かない。
付き合いたいとかじゃなくて、まぁ今夜だけでも楽しければいいな程度。その先はなるようにしかならないし。ビッチだと言われれば否定は出来ないが、経験は少ない。なんせ好みの同性なんてそうそう出会えないのだから。
そんな男と店を変え、飲み直すことになった。
話をしてみれば、最近別れたらしい。
絶好のチャンスだと思い押してみることにした。
そのまま流れでホテルに行く。
俺は完全な受けだ。いわゆるネコというやつ。
男はタチだという。ばっちりじゃないか。
あとは相性の問題。
なんのことはない、相性は抜群だった。至って普通のプレイだが充分楽しめた。普通とは、まぁ、普通のこと。男女とソレは変わらない。相性抜群そう感じたのは俺だけかもしれないが、帰り際連絡先を聞かれたから少しぐらいは自惚れてもいいだろうと思う事にした。
これがこの男との出会いと、行為。
どうでもいい話の続きをする。
俺は自分で言うのもアレだが、そこそこにはモテる。顔も悪くはないんじゃないか。職場ではゲイな俺をひた隠しにし出来る会社員をしているつもり。いくら同性愛と言う言葉が一般的になったとは言え、わざわざ会社で公言しなくてもいいと思っている。まだまだ生きにくい世の中だ。
年収もそこそこ。
両親は健在だが次男だからか自由。
昨年マンションを購入。
バツなし。
会社でのポジションもそこそこで
いわゆる出世できるヤツ。
優良物件なんじゃないかな。
だが問題は男が恋愛対象と言うこと。
物心ついた時には同性しか興味が無かった。
親戚のお兄さん。
学校の先輩。
病院の先生。
近所のお兄さん。
会社の上司。
決まって好きになるのは「年上」
特別年上の同性にこだわる原因は思いつかないが、結果そうなのだから仕方がない。