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寵愛の小鳥
第10章 告白
「俺が異常なんだってわかってるし、自覚もある。
でもな、今までの彼女だってことりに似てる人で、結局ことり以外駄目で。あの時、ことりが寝てるときに、変なヤツがオマエを触ってて、それが許せなくて。ことりにも、アイツにも怒りが沸いて…でも、ことりにやっていい事じゃなかったんだ。わかってた、でも我慢できなかった。本当にごめん」

一度溢れ出した涙が止まらなくて、
お兄ちゃんの表情も見えなくて、
いろんな感情がグルグルしてて、
なんて言えばいいのかわかんなくて言葉も出せない。

そんな私にお兄ちゃんは何度も何度もごめんって謝ってくる。

「…おにい、ちゃん」

「…うん」

「あやまん、ないで」

「…」

「…ばか」

「…うん」

「ひどい」

「…うん」

「なに、よ、許さないで欲しい、
とか忘れないでっとかっ」

「ごめんな」

「自分勝手!ゆ、ゆるさないもん…
ひ、ひどいことしたって!!
忘れてあげない、
ずっと許して、あげない、もんっ」

「…ん…」

「ひ、ひどいよ…初めて、だったん、だよ?
外で、寒いし、怖いし、
なにも見えないしでっ
怖くって、
初めては大事な人とって思って、
好きな人とって…!!」

「…うん…ごめん」

「うぅぅ…!なっ、なん、なんでなのっなんで外でなの、なんで、目隠ししてなの、なんで、無理矢理なの!?」

「…!」

「やだ、もう、訳わかんない、お兄ちゃん以上に好きな人なんて居ないの…なのになんでお兄ちゃんを嫌いになんなきゃいけないの、ばか!」

「…ことり…?それって…どういう…」

「わかんないよ!お兄ちゃんみたいに頭良くないの!!」

唸りだした私に、お兄ちゃんが愛おしそうに笑うから、
それがまたイライラする。
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