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寵愛の小鳥
第2章 お兄ちゃんとデート?
「なぁ、ことり…お兄ちゃん来月のことりの誕生日休み取れないみたいなんだ…」

お兄ちゃんが急に、泣きそうな顔で言い出したのはカフェで注文したパンケーキが届いてからすぐだった。

「え、そうなの?
でも…もう子供じゃないから全然平気だよ?」

毎年必ずお母さんとお父さん、
そしてお兄ちゃんと私の4人でお祝いをする誕生日。

お兄ちゃんが居ないのは少し寂しいけれど
お仕事だもん。仕方ないよね。

「でも…大事なことりの産まれた日なんだ…
俺はちゃんと祝いたかった…」

なんでも無いように笑ったつもりだけど、
お兄ちゃんは変わらず寂しそうな顔のまま。

お兄ちゃんに嘘をつくなんて嫌だけど、
お兄ちゃんが悲しそうな顔するのも嫌で、
ほんの少しの強がりも混じった私は嘘をついた。

「うーん…でも、わ、私だってその日…用事あるし…」
「…用事?」

ピクリとお兄ちゃんが指先を動かす。

なんとなく居心地が悪くってお兄ちゃんの指先に視線を落とす。

「う、うん!そう!私だって子供じゃないし?友達とか、す、好きな人とか!私だって、い、いるもん…!」

ほんとは小さな頃から憧れてるのは
悠月お兄ちゃんしかいない。
背も高くて格好良くて、
私のことを一番大事にしてくれるお兄ちゃん。

こんな素敵な人が側にいて、
他の男の子なんて興味が沸くはずもない。

でも、私だってもう子供じゃないから。

お兄ちゃんを恋愛として好きかなんて学校でこないだ茶化されて初めて考えたけど、答えはわかんないまま。
兄妹じゃ結婚できないしね。

「……そっか」
「う、うん…!」

そんなアレコレ考えてる事を気付かれないように、
必死に笑みを浮かべる。

やっとお兄ちゃんと目が合って、
お兄ちゃんは寂しそうに笑う。

「ことりも…大きくなったんだなぁ…お兄ちゃん、寂しいよ…」
「おにぃちゃん……」

本当に寂しそうなお兄ちゃんの声に、とっさに出た嘘がとっても苦しくなった。
でも、いつも私にべったりなお兄ちゃんが私のために仕事を無理やり休んだり…とか。
そんな無理はしないで欲しいから、これで正解だと思った。


この時、私が嘘をついた時。


お兄ちゃんが怖い顔してたのに気づいたら。

嘘をついたのを私が謝れば…
こんな事にならなかったのかな……?
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