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愛妻ネトラレ 久美子
第10章 短期バイトのカワイイ男子高校生
久美子のパート先の工場。
ほとんどはベテランのおばちゃん達で占められているが、繁忙期のみ短期のアルバイトが入ってくることがある。

が、それが若い男子であることは稀であり、更に神木隆◯介似の男子高校生ともなれば、パートのおばちゃん達が色めきたつのも、致し方ないことであろう。

工場の流れ作業。
単純労働ではあるが、スピードが要求され馴れるまではやはり人によっては時間がかかる。
初めてのアルバイトともなれば尚更だ。
そんな男子高校生アルバイトのフォロー係に久美子が任命された。

『なんで私なんですかぁッ?』
工場長に詰め寄る久美子だったが、『他のおばちゃん達は目がハートになっちゃって仕事にならないんだよ。久美子くんは年下に興味無いだろ』と無理矢理押し切られてしまった。

『はぁ…、まぁいいけどさ』久美子は呟く。
確かに普段若い男と接する機会が無いパートのおばちゃん達にすれば浮足立つのは分からなくもないが。
『自分達の子供と同じ位の歳じゃんねぇ…』
久美子の子供達はまだ小学生だが、パートのおばちゃん達は高校生位の子供を持つ者も多い。
『自分の子供位の歳の子相手に、どうこう思わないでしょ…』久美子は思う。

いや、思ってた。

『すいません、ご迷惑ばかりかけてしまって…』
休憩時間、作業着の頭部をフルカバーするマスクを脱ぎ素顔を晒し、久美子に仕事の不手際を謝る少年を見てると、目をハートにするパートのおばちゃんの気持ちを少しは理解できる久美子。

(確かに、綺麗な整った顔立ちしてるわよね)
久美子は少年の顔を見つめ、『大丈夫、大丈夫よ』とニッコリ微笑む。
『最初は誰でもミスするから』久美子が優しく励ますと、『優しいんですね…』と少し頬を赤らめて久美子を見つめ返す少年。
真っ直ぐな瞳に見つめられると、年甲斐もなく鼓動が早くなるのを自覚する久美子。
(いやいや相手は年下の童貞少年だよッ)
相手に失礼な勝手な予想をし、自分自身に言い聞かせる久美子。

1ヶ月の短期アルバイト学生とのつきあいはこうして始まった。
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