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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第2章 【第二話】【食事】
 * * * * *

 セラフィーナは森の中にある屋敷へと戻った。
 まだだれも起き出している様子はなく、ホッとしながら部屋へと戻る。

 自分の部屋に戻り、ベッドに座ったところで違和感を覚えた。
 池から屋敷に戻るときにはルードとのことを思い出していて気がつかなかったのだが、そういえば、ルードに下着を取られたままだった。
 セラフィーナは慌てて新しい下着を取りだし、付けた。

 そうしていると、ドアをノックされた。
 いつもの朝が始まったことを知り、セラフィーナはホッとした。

「セラフィーナさま、おはようございます」
「ん」
「朝食の準備ができましたらお持ちしますので、お待ちください」

 その声とともに、気配が去っていく。
 それもいつものことで、セラフィーナは安堵の息を吐いた。

 セラフィーナはいつものように椅子に腰掛け、読みかけの本を手に取った。
 しおりを挟んだところから読もうとしたけれど、先ほどの出来事を思い出して、集中できなかった。

 セラフィーナの周りはいつもどおりなのに、セラフィーナだけいつもどおりではなかった。
 ぼんやりとしていると、いつの間にか食事の用意ができていたらしい。
 名前を呼ばれ、気がついた。

「セラフィーナさま、調子が悪いのですか?」
「そんなこと、ないわ」
「少し赤い顔をされてますけど」
「な、なんでもないわ!」

 ルードとのことを思い出していたために赤くなっていたのだが、恥ずかしくて、セラフィーナは首を振った。

「お食事の用意ができました」
「分かったわ」

 セラフィーナは一ページも読み進められなかった本にしおりを挟み直し、テーブルに移動した。

「食事って」

 目の前に広がるパンとスープ、サラダにフルーツを見て、セラフィーナは口を開いた。

「こういうのを言うのよね?」
「…………? そうですが」

 椅子に座り、セラフィーナはもう一度、用意された食事をジッと見た。

「食欲がありませんか?」
「ううん、食べるわ」
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