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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第23章 【第二十三話】魔王城
 ルードヴィグの仕事は主にあちこちから回ってくる書類の決裁に視察、有力者との会談などがある。
 スケジュールの調整、管理はアーベルをはじめとした側近たちが行う。

「セラは基本、俺と同じでいいよな?」
「ん?」

 同じでいいとはどういうことだろうか。

「アーベル、セラの予定は俺と同じで」
「かしこまりました」

 ようやく意味が分かったセラフィーナは、小さく「ん」とうなずいた。
 今はまだ、情報収集の段階。下手に動いてしまうと、周りに迷惑をかけかねない。

「今日は書類仕事だが、明日は……」
「ミカルさまと会談後、城下の視察が入ってます」
「ミカルか……」

 渋面のルードヴィグに、セラフィーナは首を傾げた。

 ここ数日間、執務室でずっと書類仕事だったセラフィーナ。
 ルードヴィグとアーベル、それから数人の文官しか会っていない。
 だけどこの城にはたくさんの人が働いているし、婚姻の儀のとき、かなりの人たちと挨拶をした。
 といってもセラフィーナは名前と顔が一致していない。

「セラさまはまだ、ミカルさまとはお会いしたことがないはずです」
「ん?」
「あー、ミカルは……婚姻の儀の日には外にいた」
「外?」

 ルードヴィグに連れられてきて当たり前のようにここで過ごしているが、セラフィーナには全体像が見えていない。

「んん?」

 そこでふと、セラフィーナは違和感を覚えた。
 ルードヴィグの両親は巡回していると言っていた。そして、ここの外が森で囲まれているのは知っているのだが、どうにも全体が見えない。

「ね、ここって城?」
「そうだが」
「城下の視察ってなにをするの?」

 セラフィーナの質問に、アーベルが答える。

「城の下に」
「城の下?」

 セラフィーナは思わず途中で口を挟んだ。

「ちょっと待って。なんか前提が違ってるような気がするんだけど」

 ルードヴィグとアーベルは顔を合わせた後、セラフィーナを見た。

「城の下って、城下町ではなくて、まさしくお城の下なの?」
「はい、そうです」
「え、この城、浮いてたりするの?」
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