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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第27章 【第二十七話】核
セラフィーナはルードヴィグに連れられて、真っ直ぐ進んでは右へ真っ直ぐ進んでは右へと折れ曲がった。それを何度か繰り返したところ、ようやく終点らしきところに到着した。
そこにはアーベルが待ちかまえていた。
「思ったより遅かったですね」
「予定時間内だ」
少し不機嫌なルードヴィグにアーベルは肩を竦ませ、それから懐から鍵を取り出した。
「では、今日の二つ目の予定の城下の視察です」
城の下を見るとは聞いていたが、セラフィーナは城の外から下へと向かうと思っていたので意表を突かれた。
「この扉の奥は、核が許可した者しか通れません」
「核?」
「模型でご覧になった黒い球体ですよ」
「ん」
あれに意志があるようには見えなかったが、あるらしい。
「セラさまはすでに核が認証、許可をされているようです」
「ん?」
「そうでなければ、鍵は現れませんから」
アーベルの手にある鍵はその証拠らしい。
「私は扉を開けたら、業務に戻ります」
「うむ」
「それでは、よろしいですか?」
「たのむ」
ルードヴィグの言葉を受け、アーベルは扉の鍵を開けた。
ルードヴィグが扉を開け、セラフィーナを中に促す。
「では、行ってくる」
「はい。お帰りは?」
「核次第としか言えないな」
「かしこまりました。では、お気を付けて」
アーベルに見送られて、ルードヴィグとセラフィーナは中へと入った。二人が入ったのを確認して、アーベルは扉を閉じた。
そこは仄暗く、暖かな空間だった。セラフィーナは辺りを見回したが、室内のような室外のような不思議な場所だった。
「セラ、行くぞ」
「ん」
ルードヴィグに手を引かれ、緩やかな坂道を降りていく。
坂道が終わったところは広間になっていて、中心部に黒い核が地面から半分ほど出ていた。
「これが?」
「魔王城の中心、そして魔族の要の核だ」
「魔族の要?」
ルードヴィグはセラフィーナを連れて黒い核へと近づいた。
「触ってみると分かる」
「いいの?」
「よい」
セラフィーナはルードヴィグと繋いでいない手で黒い核に触れてみた。
それはほんのり暖かく、脈打っていた。
しかし、セラフィーナが触れたと同時に熱くなってきた。
「熱い?」
「核が興奮しているからな」
「これって意志があるの?」
「ある。むしろ俺とリンクしている」
そこにはアーベルが待ちかまえていた。
「思ったより遅かったですね」
「予定時間内だ」
少し不機嫌なルードヴィグにアーベルは肩を竦ませ、それから懐から鍵を取り出した。
「では、今日の二つ目の予定の城下の視察です」
城の下を見るとは聞いていたが、セラフィーナは城の外から下へと向かうと思っていたので意表を突かれた。
「この扉の奥は、核が許可した者しか通れません」
「核?」
「模型でご覧になった黒い球体ですよ」
「ん」
あれに意志があるようには見えなかったが、あるらしい。
「セラさまはすでに核が認証、許可をされているようです」
「ん?」
「そうでなければ、鍵は現れませんから」
アーベルの手にある鍵はその証拠らしい。
「私は扉を開けたら、業務に戻ります」
「うむ」
「それでは、よろしいですか?」
「たのむ」
ルードヴィグの言葉を受け、アーベルは扉の鍵を開けた。
ルードヴィグが扉を開け、セラフィーナを中に促す。
「では、行ってくる」
「はい。お帰りは?」
「核次第としか言えないな」
「かしこまりました。では、お気を付けて」
アーベルに見送られて、ルードヴィグとセラフィーナは中へと入った。二人が入ったのを確認して、アーベルは扉を閉じた。
そこは仄暗く、暖かな空間だった。セラフィーナは辺りを見回したが、室内のような室外のような不思議な場所だった。
「セラ、行くぞ」
「ん」
ルードヴィグに手を引かれ、緩やかな坂道を降りていく。
坂道が終わったところは広間になっていて、中心部に黒い核が地面から半分ほど出ていた。
「これが?」
「魔王城の中心、そして魔族の要の核だ」
「魔族の要?」
ルードヴィグはセラフィーナを連れて黒い核へと近づいた。
「触ってみると分かる」
「いいの?」
「よい」
セラフィーナはルードヴィグと繋いでいない手で黒い核に触れてみた。
それはほんのり暖かく、脈打っていた。
しかし、セラフィーナが触れたと同時に熱くなってきた。
「熱い?」
「核が興奮しているからな」
「これって意志があるの?」
「ある。むしろ俺とリンクしている」