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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第38章 二*イェリンの王子さま?
 仕事は順調だった。
 最初は最悪だと思ったし、不満も感じた。
 セラさまは変わった人ではあったけど、無理なことは言わないし、むしろ大切にしてくれる。
 イェリンの悪ふざけにも乗ってくれるし、魔王さまを怒らせたときも庇ってくれた。
 これで好きにならないなんてあり得ない。
 しかも、セラさまの魔力は人間にしては濃厚で、美味しかった。セラさまのそばにいると、気持ちがいい。

 そしてそれは、忘れた頃にやってきた。

「イェリンは確かにうちの子ですけど」
「少し貸して欲しい」

 セラさまがイェリンの名前を言っているのが聞こえたため、部屋をこっそり覗いてみると、なんとあの上級文官がいた。
 貸して欲しい? どういうこと?

「イェリン」

 呼ばれたので返事をして、室内に入る。
 困惑したセラさまと、上級文官の顔。
 良く分からないけれど、上級文官を手伝うことになったらしい。

 上級文官に促され、部屋を出る。
 しばらく歩いたところでまた部屋に連れ込まれて、ベッドに押し倒された。
 前と同じようにスカートを捲られ、下着を脱がすことなく横にずらされた状態でナカに埋め込まれた。
 だけど前のように気持ち良くない。

 上級文官は気持ちがよいのか、ときどき呻き声をあげながらイェリンのナカを擦る。
 しばらく堪能したあと、ズルリと抜いて、前と同じようにお腹のうえに吐き出された。

「またくる」

 上級文官はそれだけ告げると、前と同じようにイェリンを放置して去っていった。

「なに、あれ」

 イェリンの呟きは宙に消えた。

 それからは三日と置かず上級文官はイェリンのところにきた。
 セラさまを介して呼ばれるため、嫌とも言えない。
 セラさまも困った顔はしているけれど、踏み込めないようで、上級文官の貸し出しに応じるしかないようだ。

「イェリン」

 上級文官に呼ばれた次の日、セラさまはイェリンを呼んだ。

「頻繁に呼ばれているけど、なに?」
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