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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第39章 【番外編:三】ヴィクトルは愉快な日々を送りたい

とはいえ、この部屋で一番偉いのは王子な訳で……。
「ヒヒーン」
まだケヴィンから馬から人間に戻るように『命令』されていないヴィクトルは、四つんばいのまま、ケヴィンを見上げた。
ケヴィンはそんなヴィクトルを見て、怪訝な顔をして首を傾げた。
「ヴィクトル、なぜまだ四つんばいでいる?」
「ヒヒーン」
王子から許可を得ていないヴィクトルは、嘶くことしかできない。
王子が気がつかない限り、ヴィクトルはずっと馬のままだ。ヴィクトルはそのままでも面白いと思ったが、ケヴィンはそこまで愚鈍ではなかったようだ。
「そうか、おまえはオレの命令でしか動かないのか!」
「ヒヒーン」
「それならば、そのまま馬でいろ! 外に出るのが駄目ならば、部屋の中でオレを乗せて回れ!」
ケヴィンは命令することの快感というものを得始めていたようだ。ヴィクトルはそれを敏感に感じ取り、そしてケヴィンから流れてくる魔力の美味しさに震えた。
ヴィクトルが感じたように、それからケヴィンは変わった。
あんなに遅かった起床時間が早くなり、周りを慌てさせた。
そして、なにが楽しいのか家臣たちを四つんばいにさせて、その上に乗って部屋をぐるぐると回った。
ヴィクトル以外の者は、部屋でぼんやりとしてくれていた方が良かったと思ったようだが、ヴィクトルは違った。
目をらんらんと輝かせ、ケヴィンの行動を観察した。
ケヴィンの異常な行動に脱落者が徐々に出てきた頃。
ケヴィンは新たな遊びを思いついたようだ。
「ヴィクトル、今度は猫になれ」
ヴィクトルはすぐに四つんばいになり、猫のように鳴いたり、後ろ足で首を掻いて見せたりした。
「ははは! これはいい! おまえも猫になれ!」
ケヴィンは近くにいたメイドに命令して、猫の真似をさせた。
しかしこの遊びはすぐに飽きたようで、猫になるように命令することはなくなった。
後は気まぐれに、犬にさせたり、ウサギにさせたりしたが、一番のお気に入りはやはり馬だったようだ。
他の者は渋々といった感じでやるのだが、ヴィクトルだけは違った。
そうなるとケヴィンはヴィクトルを重用するようになってきた。
「ヒヒーン」
まだケヴィンから馬から人間に戻るように『命令』されていないヴィクトルは、四つんばいのまま、ケヴィンを見上げた。
ケヴィンはそんなヴィクトルを見て、怪訝な顔をして首を傾げた。
「ヴィクトル、なぜまだ四つんばいでいる?」
「ヒヒーン」
王子から許可を得ていないヴィクトルは、嘶くことしかできない。
王子が気がつかない限り、ヴィクトルはずっと馬のままだ。ヴィクトルはそのままでも面白いと思ったが、ケヴィンはそこまで愚鈍ではなかったようだ。
「そうか、おまえはオレの命令でしか動かないのか!」
「ヒヒーン」
「それならば、そのまま馬でいろ! 外に出るのが駄目ならば、部屋の中でオレを乗せて回れ!」
ケヴィンは命令することの快感というものを得始めていたようだ。ヴィクトルはそれを敏感に感じ取り、そしてケヴィンから流れてくる魔力の美味しさに震えた。
ヴィクトルが感じたように、それからケヴィンは変わった。
あんなに遅かった起床時間が早くなり、周りを慌てさせた。
そして、なにが楽しいのか家臣たちを四つんばいにさせて、その上に乗って部屋をぐるぐると回った。
ヴィクトル以外の者は、部屋でぼんやりとしてくれていた方が良かったと思ったようだが、ヴィクトルは違った。
目をらんらんと輝かせ、ケヴィンの行動を観察した。
ケヴィンの異常な行動に脱落者が徐々に出てきた頃。
ケヴィンは新たな遊びを思いついたようだ。
「ヴィクトル、今度は猫になれ」
ヴィクトルはすぐに四つんばいになり、猫のように鳴いたり、後ろ足で首を掻いて見せたりした。
「ははは! これはいい! おまえも猫になれ!」
ケヴィンは近くにいたメイドに命令して、猫の真似をさせた。
しかしこの遊びはすぐに飽きたようで、猫になるように命令することはなくなった。
後は気まぐれに、犬にさせたり、ウサギにさせたりしたが、一番のお気に入りはやはり馬だったようだ。
他の者は渋々といった感じでやるのだが、ヴィクトルだけは違った。
そうなるとケヴィンはヴィクトルを重用するようになってきた。

