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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第39章 【番外編:三】ヴィクトルは愉快な日々を送りたい
ヴィクトルは本当につまらない男に当たってしまったと嘆いていた。
しかしそれは、ある日突然、解消される。
ケヴィンが突然、ヴィクトルを指さしたのだ。
他人様に指を向けてはいけませんだとか、そういった教育は受けていなかったらしいケヴィン。
ヴィクトルは突然の指さしに驚いたが、なにかが動き始めたことに気がつき、ワクワクした。
「ヴィクトル」
ケヴィンは意外にもヴィクトルの名前を覚えていた。
ただぼんやりすることしか能のない男かと思っていたが、違ったらしい。
「オレの馬になれ」
意味が分からなかったが、つまらないことから脱却できるのならヴィクトルはなんだってした。
だからケヴィンの側に寄り、四つんばいになった。
「ははっ、これは愉快だ」
そう言って、ケヴィンは四つんばいになったヴィクトルの背中に乗った。
「そのまま母上のところまで連れて行け」
「ヒヒーン!」
馬なのだから、普通に返事をしてはおかしいだろうと思ったヴィクトルは、馬になりきって嘶いてみせた。
それはケヴィンはいたく気に入ったようで、ヴィクトルの背中で大いに笑った。
あのぼんやりとしかしなかった、つまらない男が笑った。
ヴィクトルは嬉しくなり、ケヴィンを背に乗せて、ディーサの元へと向かおうとした。
そうなると、さすがの周りも慌て始めた。
今まで、ぼんやりとしかせず、害のなかった王子が謁見の許可なく王妃の元に行こうとしたのだ。
行くだけならまだしも、普段はぼんやりとしかしてない王子がいきなり動くのだ。なにをするのか分かったものではない。
周りは大慌てでヴィクトルを止め、ケヴィンをヴィクトルの背中から降ろした。
「なにをするんだ!」
「殿下、いくら親子とは言え、謁見の申請をせずいきなり王妃に会いに行くのは非常識です!」
ぼんやりする王子よりも、権力を持った王妃の方が怖い。しかも相手は王子とは言っても、継承権第三位。
今の時点でだれが怖いのか、誰の目にも明らかだった。
しかしそれは、ある日突然、解消される。
ケヴィンが突然、ヴィクトルを指さしたのだ。
他人様に指を向けてはいけませんだとか、そういった教育は受けていなかったらしいケヴィン。
ヴィクトルは突然の指さしに驚いたが、なにかが動き始めたことに気がつき、ワクワクした。
「ヴィクトル」
ケヴィンは意外にもヴィクトルの名前を覚えていた。
ただぼんやりすることしか能のない男かと思っていたが、違ったらしい。
「オレの馬になれ」
意味が分からなかったが、つまらないことから脱却できるのならヴィクトルはなんだってした。
だからケヴィンの側に寄り、四つんばいになった。
「ははっ、これは愉快だ」
そう言って、ケヴィンは四つんばいになったヴィクトルの背中に乗った。
「そのまま母上のところまで連れて行け」
「ヒヒーン!」
馬なのだから、普通に返事をしてはおかしいだろうと思ったヴィクトルは、馬になりきって嘶いてみせた。
それはケヴィンはいたく気に入ったようで、ヴィクトルの背中で大いに笑った。
あのぼんやりとしかしなかった、つまらない男が笑った。
ヴィクトルは嬉しくなり、ケヴィンを背に乗せて、ディーサの元へと向かおうとした。
そうなると、さすがの周りも慌て始めた。
今まで、ぼんやりとしかせず、害のなかった王子が謁見の許可なく王妃の元に行こうとしたのだ。
行くだけならまだしも、普段はぼんやりとしかしてない王子がいきなり動くのだ。なにをするのか分かったものではない。
周りは大慌てでヴィクトルを止め、ケヴィンをヴィクトルの背中から降ろした。
「なにをするんだ!」
「殿下、いくら親子とは言え、謁見の申請をせずいきなり王妃に会いに行くのは非常識です!」
ぼんやりする王子よりも、権力を持った王妃の方が怖い。しかも相手は王子とは言っても、継承権第三位。
今の時点でだれが怖いのか、誰の目にも明らかだった。