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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第40章 二*交尾を知らない……だと?

そしてある日のこと。
「ヴィクトル」
「はい」
「昨日の夜、外で赤子のような声を聞いたのだが」
どうやら昨日の夜、王宮のどこかで猫が交尾をしていたらしいと悟ったヴィクトル。
「どこかに赤子が捨てられているのなら、探して保護を──」
ヴィクトルはそれとなく周りを見たが、みなが首を振っていた。
なるほど、これはあらかた全員に聞いて、納得のいく回答が得られなかった状態のようだ。
誤魔化したところでまた今日も聞こえてきたらきっと、明日も追求される。
だからヴィクトルはしれっと答えた。
「猫の交尾ですね」
周りはヴィクトルがはっきりと答えるとは思っていなかったようで、慌てている。
ケヴィンはといえば、目を丸くしてヴィクトルを見ていた。
「猫の……交尾、とは?」
まさかのケヴィンの反応に、ヴィクトルはまた、周りを見た。
事情を知っていそうな年かさの家臣は、ヴィクトルから思いっきり不自然に視線をそらしていた。
「あれ、殿下。まさか……ですけど」
ヴィクトルはある予感にとらわれながら、もったいぶった態度を取ってみた。
これで年かさの家臣が動けば、ヴィクトルの予感は的中である。
「交尾、を、ご存じ、ない、とか?」
いやきっと、ケヴィンは交尾のみならず、なんらかの事情で性交のことも知らないのではないか。
ヴィクトルはそう当たりを付けた。
彼は王族である。
第三位とはいえ、王位継承権を持つ男性。
年齢の割にやることが幼かったりするが、身体はそれなりに発育している。
それに、王族は子を残すことが義務のはず。
そのことを教育されていないというのは不自然だ。
まさか事情があり、わざとそういったことを教育していないのか。
考えられるのは、ケヴィンの血を残さないため。
それはなぜ?
分からないけれど、ヴィクトルが動くことで明らかになることもなる。
だからヴィクトルは動くことにした。
「交尾とは──」
「ヴィクトルっ!」
「ヴィクトル」
「はい」
「昨日の夜、外で赤子のような声を聞いたのだが」
どうやら昨日の夜、王宮のどこかで猫が交尾をしていたらしいと悟ったヴィクトル。
「どこかに赤子が捨てられているのなら、探して保護を──」
ヴィクトルはそれとなく周りを見たが、みなが首を振っていた。
なるほど、これはあらかた全員に聞いて、納得のいく回答が得られなかった状態のようだ。
誤魔化したところでまた今日も聞こえてきたらきっと、明日も追求される。
だからヴィクトルはしれっと答えた。
「猫の交尾ですね」
周りはヴィクトルがはっきりと答えるとは思っていなかったようで、慌てている。
ケヴィンはといえば、目を丸くしてヴィクトルを見ていた。
「猫の……交尾、とは?」
まさかのケヴィンの反応に、ヴィクトルはまた、周りを見た。
事情を知っていそうな年かさの家臣は、ヴィクトルから思いっきり不自然に視線をそらしていた。
「あれ、殿下。まさか……ですけど」
ヴィクトルはある予感にとらわれながら、もったいぶった態度を取ってみた。
これで年かさの家臣が動けば、ヴィクトルの予感は的中である。
「交尾、を、ご存じ、ない、とか?」
いやきっと、ケヴィンは交尾のみならず、なんらかの事情で性交のことも知らないのではないか。
ヴィクトルはそう当たりを付けた。
彼は王族である。
第三位とはいえ、王位継承権を持つ男性。
年齢の割にやることが幼かったりするが、身体はそれなりに発育している。
それに、王族は子を残すことが義務のはず。
そのことを教育されていないというのは不自然だ。
まさか事情があり、わざとそういったことを教育していないのか。
考えられるのは、ケヴィンの血を残さないため。
それはなぜ?
分からないけれど、ヴィクトルが動くことで明らかになることもなる。
だからヴィクトルは動くことにした。
「交尾とは──」
「ヴィクトルっ!」

