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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第42章 四*アルベルティーナ
 いやいやいやいや。
 ちょっと待て。
 おい、だれだ、そういう教育をしてないって言ったヤツはっ!
 ちょっと出てこい、説教だ!

 ちなみにこの場にいるのはケヴィンとヴィクトルだけではない。
 ケヴィンを王にしようと思っている者たちがたくさんいるのだ。
 そこで平然ととんでもないことを口にするケヴィンにヴィクトルは怒りを覚えたが、抑えた。
 ヴィクトルはいつだってケヴィンの側から離れることはできる。
 美味しい魔力補給が出来なくなるのはかなり辛いけど、それ以外は未練はない。
 だって面白いこと、楽しいことは他にもあるから。

「おれではなく、他にもいるでしょう?」

 今回は間違わないで婉曲に断ることができたとホッとした。
 だが、相手の方が上手だった。

「思い当たる人たちは全員に当たったけど、全員にそういって断られたよ。仕方がないよね、ぼくの隠された妹だ。みんな臆するのは分かるよ」

 分かったのなら諦めろ、とヴィクトルは思う。

「でもきっと、妹を見たら感想が変わると思うよ」

 ケヴィンの一言に、ざわりと空気が揺れた。
 なんだよみんな、興味なさそうな顔をしながら興味津々かよ! とヴィクトルは心の中で叫んだ。

「出ておいで、アルベルティーナ」
「はい、お兄さま」

 ケヴィンの声に答えて、アルベルティーナはケヴィンの後ろのカーテンから現れた。
 ケヴィンとは違って、王家の血を色濃く引くと見える見た目。白金の髪に紫色の瞳。美しく、楚々とした女性。
 周りは感心したようにため息を吐いていたけれど、ヴィクトルは特に心を惹かれなかった。
 綺麗なだけなら魔族にもいくらでもいたからだ。

「それで、お兄さま」
「うむ」
「ヴィクトルというのは?」
「そこにいる彼だよ」

 ヴィクトルとアルベルティーナは目が合った。合ったけれど、やはり特に感想は変わらない。
 この女性と結婚? それはないな。
 ヴィクトルの感想はそれだった。

 アルベルティーナもすぐにヴィクトルから興味が失せたのか、ふいっとお互いの視線がそれた。
 それと同時に周りにいた男性陣がアルベルティーナを取り囲んだ。

 ヴィクトルはケヴィンの視線を感じて、そちらを向いた。

「ぼくの妹は気に入らなかったかい?」
「いえ、おれには勿体ないくらいですよ」
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