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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第45章 七*魔族の個人情報保護とは?
 ヴィクトルはそれから数日、アルベルティーナへのナカ出しの感覚を思い出しては自慰を繰り返して自己嫌悪に陥る、というまったく生産性のない暮らしをしていた。

 今まで、ヴィクトルはそれなりに遊んできた。
 主に娼館で遊んできたが、たまには行きずりで交わることもあった。
 顔見知りで気が合ったから身体を合わせたということもあった。中には今回のようにナカにだして欲しいと言われたこともある。そのときは馬鹿なことをいうなと顔射してやった。

 それなのに今回は思いっきりナカに出してしまった。
 それがすごく気持ちが良かった。
 気持ちよすぎて反芻してしまうくらい、とにかくよかった。

「ヴィクトル」

 ヴィクトルが自宅でぐだぐだしているところに、前置きもなくアーベルが現れた。

「個人情報保護とはっ!」
「心配するな、おまえの自慰など見たくない。そういうときは避けてくるから安心しろ」
「いやいや、個人情報筒抜けじゃないか!」

 ヴィクトルがかみついてもアーベルは知らん顔をして、要件を告げた。

「ケヴィンがおまえを探している」
「いや、辞めてきたし」
「そんな話、聞いてないぞ」
「あぁ、事後報告で充分だろう?」
「そんなわけあるか、ボケが!」

 アーベルはふて腐れているヴィクトルの頭を軽く叩くと、身体を起こさせた。

「なにがあったのか分からないが」
「いや、それ、知ってて言ってるだろう?」
「本当になにも知らない。ケヴィン自らが面会を申し立ててきて、おまえの行方を知らないかと聞かれてな」
「ふーん」
「ふーんって、一応、上司だろうが」
「……蜜月でもなく、夫婦でもないのにナカ出しした」
「前置きもなく、いきなり核心部分か。それで、……ケヴィンにか?」
「反対! BL展開!」
「この少ない情報の中で正しい事柄を掴めというのが無理な話だ」
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