この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第47章 九*騙し討ち
……のだが。
「どうしてアルベルティーナと同室なんだ。いくらでも部屋はあるだろう!」
「二日分、折れたんだ。それにアルベルティーナを悲しませたんだから甘んじて」
「あたしとは嫌なの?」
「嫌に決まってるだろう! 抱けもしないのに!」
「もう、最低!」
「最低でも結構!」
結局、もやもやムラムラしたまま五日間を過ごすことになるのだが。
「ちょっと待て。五日後と決めていたのならなにもおれ、律儀にここにいなくてよくないか?」
と三日目に気がついたヴィクトル。
「後二日なんだから、ここにいなさい」
と強引に留めるアルベルティーナ。
「あたしと一緒にいるのもそんなに悪くはないでしょう?」
「……まぁ、抱けなくてムラムラするけど、それ以外は悪くないってことにしておいてやる」
「ほんと、最低ね」
本音を言えば、アルベルティーナと一緒に過ごすのは思っていたより悪くなかった。むしろ終わりが近づいていることに残念がっていた。
そして、五日目。
ヴィクトルの予想では、夜ぎりぎりまで書類は出てこないのではないかと思っていたのだが、朝食後、すぐに呼ばれた。
そう、呼ばれたまではよかったのだ。
ヴィクトルはてっきり、アルベルティーナの腹の子の父親であるという証明書みたいなものに署名をすればいいと思ったのだ。
それくらいの書類を作るのに五日もかかるとはヴィクトルは思っていなかったが、なにせ、相手は王族で、王の妹。そしてその子は将来、この国を継ぐことになるかもしれないのだ。ヴィクトルには分からない手続きがあるのかもしれないから、待つことにした。
それなのに出てきた書類は思っていた以上に分厚かった。紙にして、百枚くらいありそうだ。
「なんだこれ?」
ヴィクトルは思わずそう聞いていた。
「専門家によると、正しい手順を踏襲した書類ということだ。これからこの書類を作った者に説明をさせる」
「読むの面倒くさい。聞くのも面倒。アルベルティーナの腹の子と認知するって内容になんでこんな分厚い書類が必要なんだよ」
「どうしてアルベルティーナと同室なんだ。いくらでも部屋はあるだろう!」
「二日分、折れたんだ。それにアルベルティーナを悲しませたんだから甘んじて」
「あたしとは嫌なの?」
「嫌に決まってるだろう! 抱けもしないのに!」
「もう、最低!」
「最低でも結構!」
結局、もやもやムラムラしたまま五日間を過ごすことになるのだが。
「ちょっと待て。五日後と決めていたのならなにもおれ、律儀にここにいなくてよくないか?」
と三日目に気がついたヴィクトル。
「後二日なんだから、ここにいなさい」
と強引に留めるアルベルティーナ。
「あたしと一緒にいるのもそんなに悪くはないでしょう?」
「……まぁ、抱けなくてムラムラするけど、それ以外は悪くないってことにしておいてやる」
「ほんと、最低ね」
本音を言えば、アルベルティーナと一緒に過ごすのは思っていたより悪くなかった。むしろ終わりが近づいていることに残念がっていた。
そして、五日目。
ヴィクトルの予想では、夜ぎりぎりまで書類は出てこないのではないかと思っていたのだが、朝食後、すぐに呼ばれた。
そう、呼ばれたまではよかったのだ。
ヴィクトルはてっきり、アルベルティーナの腹の子の父親であるという証明書みたいなものに署名をすればいいと思ったのだ。
それくらいの書類を作るのに五日もかかるとはヴィクトルは思っていなかったが、なにせ、相手は王族で、王の妹。そしてその子は将来、この国を継ぐことになるかもしれないのだ。ヴィクトルには分からない手続きがあるのかもしれないから、待つことにした。
それなのに出てきた書類は思っていた以上に分厚かった。紙にして、百枚くらいありそうだ。
「なんだこれ?」
ヴィクトルは思わずそう聞いていた。
「専門家によると、正しい手順を踏襲した書類ということだ。これからこの書類を作った者に説明をさせる」
「読むの面倒くさい。聞くのも面倒。アルベルティーナの腹の子と認知するって内容になんでこんな分厚い書類が必要なんだよ」