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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第49章 十一*求婚
アルベルティーナはけらけら笑いながらヴィクトルの牢屋の鍵を開けた。
そこでヴィクトルは気がついたことがあった。
「おまえ、髪」
腰まであった髪の毛がばっさりと切られ、肩の長さになっていた。
「あ、これ? それがねー、出産後、髪の毛がすっごい抜けちゃって! 長いと悲惨で、鬱陶しくて切ったのよ」
そう言って笑っているが、あの白金の髪は自慢ではなかったのか?
「それで」
「もー、話は後! とにかく、ここから出る!」
「……はい」
ヴィクトルはアルベルティーナに素直に従い、牢屋から出た。
「とにかく、話はその身なりをどうにかしてからね」
「おい、処刑は?」
「そんなに死にたいの?」
「いや、そういうわけでは」
ヴィクトルはアルベルティーナに先導されて階段をのぼり、王城の廊下を歩く。
そして連れてこられたのは……。
「離宮?」
「そ、アウグストのね」
「アウグスト?」
「あー、子どもの名前よ。本当はあなたに決めてもらおうと思ったのに、行方知れずだっていうし」
「……すまん」
ヴィクトルは離宮内の一室に案内されて、まずは湯浴みをするように言われた。
いつもなら温かい湯に布を浸して拭くぐらいなのだが、湯船にたっぷりの湯が用意されていたため、ヴィクトルは髪と身体を丁寧に洗い、伸び放題のヒゲは剃り、浸かった。
生まれ変わったかのようにすっきりした。
湯浴みを終え、用意されていた新しい服を着て……とそこで、それが部屋に残してきた服だったことに気がついた。
なぜ、ここにあるのかという疑問と、捨てられてなかったことの驚きがある。
そして、さてどうしようと思っていると、ヴィクトルはアルベルティーナが待っている部屋へと案内された。
案内された部屋の壁紙はやはり茶色く、ヴィクトルは不思議に思う。
「さっぱりしたわね!」
「おかげさまで」
ここは応接室なのか、長椅子と机があり、その横に木で出来たワゴンのようなものが置かれていた。
「さっきまでアウグスト、起きてたのよ」
そう言って、アルベルティーナはワゴンに置かれたかごを覗き込んでいた。
「あなたも見てみる?」
「あ、あぁ」
そこでヴィクトルは気がついたことがあった。
「おまえ、髪」
腰まであった髪の毛がばっさりと切られ、肩の長さになっていた。
「あ、これ? それがねー、出産後、髪の毛がすっごい抜けちゃって! 長いと悲惨で、鬱陶しくて切ったのよ」
そう言って笑っているが、あの白金の髪は自慢ではなかったのか?
「それで」
「もー、話は後! とにかく、ここから出る!」
「……はい」
ヴィクトルはアルベルティーナに素直に従い、牢屋から出た。
「とにかく、話はその身なりをどうにかしてからね」
「おい、処刑は?」
「そんなに死にたいの?」
「いや、そういうわけでは」
ヴィクトルはアルベルティーナに先導されて階段をのぼり、王城の廊下を歩く。
そして連れてこられたのは……。
「離宮?」
「そ、アウグストのね」
「アウグスト?」
「あー、子どもの名前よ。本当はあなたに決めてもらおうと思ったのに、行方知れずだっていうし」
「……すまん」
ヴィクトルは離宮内の一室に案内されて、まずは湯浴みをするように言われた。
いつもなら温かい湯に布を浸して拭くぐらいなのだが、湯船にたっぷりの湯が用意されていたため、ヴィクトルは髪と身体を丁寧に洗い、伸び放題のヒゲは剃り、浸かった。
生まれ変わったかのようにすっきりした。
湯浴みを終え、用意されていた新しい服を着て……とそこで、それが部屋に残してきた服だったことに気がついた。
なぜ、ここにあるのかという疑問と、捨てられてなかったことの驚きがある。
そして、さてどうしようと思っていると、ヴィクトルはアルベルティーナが待っている部屋へと案内された。
案内された部屋の壁紙はやはり茶色く、ヴィクトルは不思議に思う。
「さっぱりしたわね!」
「おかげさまで」
ここは応接室なのか、長椅子と机があり、その横に木で出来たワゴンのようなものが置かれていた。
「さっきまでアウグスト、起きてたのよ」
そう言って、アルベルティーナはワゴンに置かれたかごを覗き込んでいた。
「あなたも見てみる?」
「あ、あぁ」