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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第5章 【第五話】魔王さま、セラフィーナを攫いに現れる
 ヌルリとして、熱くて、そして気持ちがいい。
 セラフィーナは夢中になって蜜口を弄った。

「ぁっ、ぁっ、ルードぉ」

 セラフィーナの口からは悩ましい声が洩れ、切なくルードヴィグを求めた。グチュグチュと音がして、セラフィーナをあおる。
 しばらく蜜口をセラフィーナは弄っていたが、徐々に物足りなくなってきた。
 ルードヴィグに弄られたとき、もっと気持ちが良かった。
 自分で弄っても気持ちが良いが、なにかが違うのだ。

「んっ、ルード……」
「セラ、呼んだか?」
「っ!」

 この部屋にはセラフィーナひとり……だったはずだ。
 それなのに、まさかルードヴィグの声がするとは思わず、セラフィーナの手は止まった。

「気になって覗いてみれば、なかなかよいことをしているな」
「ぁ、ぁ……」

 まさか痴態を見られてしまうとはと、セラフィーナは慌てて取り繕うとしたが、遅かった。

「待つと言ったが、やはり待てぬ。セラ」

 ギシリとベッドが鳴り、ルードヴィグの姿がセラフィーナの視界に入った。

「そのまま続けるがいい」
「ゃぁ、ルードぉ」
「恥ずかしがらなくていい。その乱れた姿もいい【食事】になる」
「……美味しい?」
「あぁ、美味しい。思わず食べてしまいたいくらい、美味しい」

 セラフィーナは潤んだ瞳でルードヴィグを見つめた。

「ね、ルード。ギュッてして?」
「抱きしめるだけでいいのか?」
「……もう、意地悪なこと、言わないで」

 ルードヴィグは笑いながら、セラフィーナを抱きしめた。

「それにしても」
「ん」
「まさか一人で慰めているとは思わなかった」
「私だって、好きでしてるわけじゃなくて……っ!」
「そんなに俺とやったのがよかったのか?」
「……ん」

 セラフィーナの小さな返答に、ルードヴィグは顔を緩めた。

「それでは、魔王らしく、さらうとするか」

 ルードヴィグはセラフィーナの服を整えると、ベッドから起こした。

「ルード?」

 ルードヴィグの意図が分からないセラフィーナは、少し不満顔でルードヴィグを見た。

「今すぐやりたい、と?」
「えと、そのっ」
「違うのか?」
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