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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第6章 【第六話】宣言
 アリシアはそう言いながら、セラフィーナの前にお茶を出した。カップからは良い匂いが漂ってきた。

「どうぞ」
「ありがとう」

 セラフィーナはカップを手に取り、口に運んだ。

「ん、美味しい」

 お茶はほどよい熱さになっていて、飲みやすかった。セラフィーナは飲み干していた。そこで喉が渇いていたことに気がついた。

「お代わり、必要ですか?」
「そうね、お願い」
「簡単なお食事もご用意できますけど、どうなさいますか?」
「食事はいいわ」

 と言ったところで、セラフィーナはふと疑問が浮かんだ。

「ねぇ、食事って」

 口を開いたのはいいが、アリシアになんと聞けばいいのか分からなくて口ごもっていると、アリシアは察したのか、お茶のおかわりを用意しながら教えてくれた。

「魔族の食事は、二種類あります」
「二種類?」
「はい。人間と同じように口から食事をする方法と」

 アリシアはそこで区切って、セラフィーナに視線を向けた。
 セラフィーナはアリシアの緑の瞳を見つめた。
 アリシアはセラフィーナの様子を見て、続けた。

「その様子ですと、陛下の食事を経験されていますね」

 そう言われて、セラフィーナは真っ赤になった。

「魔族は、魔力を得るために肉体的な快楽を得なければならないのです。それが二つ目の食事です。一番効率の良い方法が、肉体を交えることです」
「そ、それが食事……」
「はい。ですが陛下はなかなかえり好みが激しくて……」
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