この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第6章 【第六話】宣言
 それはさすがにやり過ぎではないかとセラフィーナが口を開こうとしたが、いつの間にかそばに来ていたアリシアが首を振ったため、黙っておくことにした。

「以上だ」

 ルードヴィグはそれだけ告げると、セラフィーナの腕を取り、広間の入口へと向かった。
 無言だけど、刺すような視線にセラフィーナは怖くなってルードヴィグの腕にしがみついた。

「大丈夫だ、問題ない」

 セラフィーナを安心させるためにルードヴィグはそう言ってくれたが、セラフィーナはまったく安心できなかった。

 広間を出て、ルードヴィグに導かれるまま長い廊下を歩く。
 そしてたどり着いたのは、真っ黒な扉の前。

「陛下」

 黒い扉の前に来たところで、アリシアが口を開いた。

「僭越ながら、セラさまにもう少しご事情をお話したほうがよろしいかと」
「そうだな。俺も少し準備がいる。その間に話しておいてくれ」
「かしこまりました」
「セラ、部屋に入って少し待っていてくれ。その間、アリシアからここのことを聞いておいてくれ」

 ルードヴィグはそう言うと、黒い扉を開けて、セラフィーナとアリシアに中に入るように促した。

「セラさま、どうぞ中へ」

 アリシアに言われて、セラフィーナはおそるおそる中へ入った。

 中はうっすらと明かりはついていたが、調度品が黒いせいなのか、よく見えない。

「セラさま、こちらにお掛けください」
「ん」

 アリシアに言われるがまま中に入り、椅子に腰掛けた。
 アリシアはワゴンに乗せられていた茶器を手に取り、セラフィーナのためにお茶を用意しはじめた。

「ご様子を見たところ、いきなり連れてこられたようですね」
「そう、ね」

 いきなりと言えばそうだが、順序立てて連れてこられてもきっと、同じように戸惑っていただろうから、これでいいような気がしていた。

「でも、わがままを言ったのは私」
「そうなのですか?」

 それにしても、とセラフィーナは思う。
 いきなりなのに、広間にあれだけの人が集まっていた。

「アーベルさまがいきなり、集まれる者は広間にって集合をかけられたのです」

 それで集まっていたのか、と納得した。

「まさか陛下がセラさまを連れてくるとは思ってませんでしたけど」
/251ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ