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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第7章 【第七話】ウサギとオオカミ
アリシアは困ったようにため息を吐いた。
「陛下は生まれつき、魔力量が多かったのですが、お食事をえり好みされて、保有魔力が減る一方だったのです」
ん? とセラフィーナは眉間にしわを寄せた。
「でも」
「陛下がなんとおっしゃったのか分かりませんが、アーベルさまは悩まれていたようですわ」
セラフィーナは人間であるし、魔法は残念ながら使えない。魔力と言われてもまったく分からない。
「それにしても」
アリシアは新しく淹れたお茶をセラフィーナの前に置くと、またもやため息を吐いた。
「セラさまは人間でありながら、くらくらするほどの快楽を与えてきますわね」
「え?」
「陛下が伴侶にすると宣言しただけのことはありますわ」
そう言って、アリシアは潤んだ瞳をセラフィーナに向けてきた。
「この魔界に、セラさまのような存在はいません」
アリシアの手がセラフィーナに伸びてきたが、それは誰かの手で阻止された。
「アリシア、そこで止めておけ」
「アーベルさま!」
「気持ちは痛いほど分かるが、今は止めておけ」
アーベルとともに、ルードヴィグが部屋にやってきていた。
「説明は終わったか?」
「食事について、説明いたしました」
「蜜月については」
「これからしようかと思っていたところです」
「そこは、俺がしよう。二人とも、下がって良い」
アリシアはアーベルに引きずられるようにしてセラフィーナのそばから離された。
「アリシア、セラの食事だが」
「はい」
「セラの住んでいた屋敷へ行き、レンナントとエドヴァルドという男を連れてこい」
「男、ですか?」
「セラの身の回りの世話はあの二人に任せた方がよさそうだ。魔族に適任者はいない」
セラフィーナは瞬きをして、ルードヴィグを見上げた。
「そのお茶は口に合ったか?」
「はい、とても美味しいです」
「それならばよかった。残りも飲むがいい」
ルードヴィグに促されて、セラフィーナは二杯目を口にした。
前のお茶とは違うものなのか、味が違ったが美味しかった。
「蜜月の間の食事は、軽いものに。あと、飲み物はアリシア、おまえに任せた」
「はい」
「では、セラ。隣の部屋に行くぞ」
ルードヴィグはセラフィーナの手を取り、立ち上がらせると、隣の部屋へと誘った。
「セラ」
「陛下は生まれつき、魔力量が多かったのですが、お食事をえり好みされて、保有魔力が減る一方だったのです」
ん? とセラフィーナは眉間にしわを寄せた。
「でも」
「陛下がなんとおっしゃったのか分かりませんが、アーベルさまは悩まれていたようですわ」
セラフィーナは人間であるし、魔法は残念ながら使えない。魔力と言われてもまったく分からない。
「それにしても」
アリシアは新しく淹れたお茶をセラフィーナの前に置くと、またもやため息を吐いた。
「セラさまは人間でありながら、くらくらするほどの快楽を与えてきますわね」
「え?」
「陛下が伴侶にすると宣言しただけのことはありますわ」
そう言って、アリシアは潤んだ瞳をセラフィーナに向けてきた。
「この魔界に、セラさまのような存在はいません」
アリシアの手がセラフィーナに伸びてきたが、それは誰かの手で阻止された。
「アリシア、そこで止めておけ」
「アーベルさま!」
「気持ちは痛いほど分かるが、今は止めておけ」
アーベルとともに、ルードヴィグが部屋にやってきていた。
「説明は終わったか?」
「食事について、説明いたしました」
「蜜月については」
「これからしようかと思っていたところです」
「そこは、俺がしよう。二人とも、下がって良い」
アリシアはアーベルに引きずられるようにしてセラフィーナのそばから離された。
「アリシア、セラの食事だが」
「はい」
「セラの住んでいた屋敷へ行き、レンナントとエドヴァルドという男を連れてこい」
「男、ですか?」
「セラの身の回りの世話はあの二人に任せた方がよさそうだ。魔族に適任者はいない」
セラフィーナは瞬きをして、ルードヴィグを見上げた。
「そのお茶は口に合ったか?」
「はい、とても美味しいです」
「それならばよかった。残りも飲むがいい」
ルードヴィグに促されて、セラフィーナは二杯目を口にした。
前のお茶とは違うものなのか、味が違ったが美味しかった。
「蜜月の間の食事は、軽いものに。あと、飲み物はアリシア、おまえに任せた」
「はい」
「では、セラ。隣の部屋に行くぞ」
ルードヴィグはセラフィーナの手を取り、立ち上がらせると、隣の部屋へと誘った。
「セラ」