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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第13章 【第十三話】仲良し
 気がつけば、五日あった蜜月は終わりを告げ、婚姻の儀を執り行う日となった。
 ルードヴィグはこの日の朝もセラフィーナを膝に乗せて、朝食を摂っていた。ここ数日間で見慣れた風景になっていた。

「ルード」
「なんだ?」
「蜜月は終わったの?」
「あぁ、残念ながらな」

 そう言いつつもルードヴィグはセラフィーナに口移しでフルーツを食べさせていた。

「じゃあ、私の役目は終わりなの?」
「……セラ?」

 ルードヴィグはセラフィーナの言葉の意味が分からなくて、眉間にしわを寄せた。

「セラの役目は俺の伴侶。そして、お食事係。終わるわけがないだろう」
「でも」
「セラフィーナ」

 そういえば、蜜月に夢中でその辺りの話をするのを忘れていた。
 だが、セラフィーナはルードヴィグと結婚すると同意したし、それで分かってくれたと思っていたのだが……。

「セラは俺と結婚してくれると同意してくれたよな」
「……ん」
「それならば、役目は終わりどころか、始まりであるというのは分かるよな?」
「でも」
「なんだ?」
「私、人間だよ?」
「なにを今さら」
「私、考えたの」

 セラフィーナの考えはろくでもなさそうだったが、先を促した。

「ルードヴィグは魔王さま。ということは、魔族の王さま。そこに人間の血を入れてもいいのかなって」
「セラフィーナ……。本当に今さらの話だし、もしかしたらすでにセラの腹に子ができている可能性もあるのだぞ」
「それはないの。だって、今日の朝、起きたらその」

 セラフィーナがそれ以上言わなくても、ルードヴィグは気がついていた。

「子ができてなかったのなら、また、セラフィーナと交われる。いいことではないか」
「ルード……」
「それに、魔族は子どもが出来にくい。ましてや、人間との子どもとなれば、もっと出来にくい」
「そうなの?」
「魔族は人間より長生きだからな」
「え?」
「だが、セラフィーナ。心配しなくてよい」
「ん?」
「セラは魔族同等だ」
「ん?」

 セラフィーナの頭の中は疑問だらけなのだろう。難しい顔をして、ルードヴィグを見ていた。

「あの黒い蔦を覚えているか?」
「ん」
「あれは魔王の眷属あるいは伴侶を意味するモノで、魔王同等の権力を持つことを意味する」
「なにそれ」
「つまり、セラフィーナが嫌と言っても、セラは魔王同等なんだ」
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