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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第13章 【第十三話】仲良し
 セラフィーナの眉間に深いしわが寄る。

「……ということは」

 セラフィーナは唇を尖らせながら口を開いた。

「私も魔族になったということ?」
「まぁ、簡単にいえばそうだな」
「んー」

 二人のやりとりを見ていたアリシアは、呆れたように口を開いた。

「ほんと、あなたたちは似てるわね!」
「ん?」
「陛下といい、アーベルさまといい、手に入れたいものがあれば、手段を選ばないところとか!」
「あぁ、アーベルに囲まれてしまったか。アリシアなら大丈夫だと思っていたんだが」
「陛下!」

 状況がまったく分からないセラフィーナは、首を傾げてルードヴィグを見た。

「アーベルとアリシアがな」
「ん、ふたり、付き合ってるの?」
「アーベルさまに嵌められたんですよ」

 嵌められた?

「アリシアはアーベルが嫌いなの?」
「嫌いですよ」

 嫌いなのにどうして付き合ってるの? と疑問に思っていると、ルードヴィグが説明してくれた。

「魔族は、性格よりも身体の相性を重視しているんだ」
「ん?」

 ということは。
 アーベルとアリシアもあんなことやこんなことをしたということで……。

 セラフィーナの顔が真っ赤になったのを見て、ルードヴィグは額にキスをして、アリシアも真っ赤になって顔を覆った。

「不本意なんですから!」
「でも、気持ち良かった?」

 セラフィーナの直球な質問に、アリシアはさらに赤くなった。

「も、もう! わたしのことはいいとして! セラさま、お食事はよろしいのですか?」
「んー、まだ」

 セラフィーナはルードヴィグに催促して、食事を再開した。

 アリシアは二人の仲睦まじい様子を見て、内心でため息を吐いていた。

 セラフィーナの食事が終わったところで、セラフィーナはルードヴィグから剥がされた。

「や!」
「セラさま、婚姻の儀の準備です」
「ルード!」
「大丈夫だ、俺も準備をしてくる。後でまた、会おう」

 ルードヴィグにそう言われてしまえば、セラフィーナはわがままが言えない。

「約束?」
「あぁ、約束だ」
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