この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第14章 【第十四話】婚姻の儀
 婚姻の儀は、広間で行われた。
 広間はセラフィーナが最初に来たときには気がつかなかったが、天井も床も黒く、薄暗い。
 それでも色とりどりの花が飾られ、だいぶ明るくなっていた。
 アーベルが司会進行を務めるようで、広間によく通る声が響き渡る。
 広間には人が入り切れないほど集まっていて、廊下だけではなく、外にまで人が溢れていた。
 人の隙間をぬい、ルードヴィグとセラフィーナは広間の奥の玉座まで歩いた。
 黒い広間に白い衣装はとても映え、光って見えた。
 ルードヴィグの腕にしがみつくような形のセラフィーナだったが、全体的に好意的に受け入れられているようだった。

 婚姻の儀と大仰な名前がついているものの、魔族のみなさまに魔王の伴侶を紹介する場のようで、それほどかしこまったものではないようだ。
 今回の場合、相手が人間ということで、いつも以上に人が集まっているようだ。

「すでに五日の蜜月もこなし──」
「アーベル、そのような面倒なことはもうよい。料理の準備もできているようだし、宴を開始するがよい」

 ルードヴィグは面倒くさそうにそう言い、セラフィーナを抱き寄せた。

「これからいくらでもセラを見る機会があるだろう。なにか危害を加えるようなら、覚悟しておけ。俺からは以上だ」
「陛下」
「節度を守って、宴を楽しむがよい」

 それだけ告げると、宴の会場に移動する者とルードヴィグたちに挨拶に来る者と別れた。
 ルードヴィグとセラフィーナは玉座に座り、挨拶を受けた。
 長蛇の行列が出来ていて、それはいつまでも途切れることがなかった。

 途中、セラフィーナは何度か休憩を入れたものの、ルードヴィグはずっと対応していた。
 夜も更け、日付が変わる頃になり、ようやく来客の列が途切れた。

「セラ、疲れたか?」
「さすがに。でも、ルードの方がもっと疲れているでしょう?」
「そばにセラがいてくれたから、それほど疲れていない」

 その一言にセラフィーナは瞬きをした後、ポンっと手を叩いた。

「そうだわ!」
「どうした?」
「私もルードのお仕事、手伝うわ」
「俺の仕事を手伝う……?」
「ん、そうすれば、いつでも一緒にいられるわ」
/251ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ