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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第14章 【第十四話】婚姻の儀
婚姻の儀は、広間で行われた。
広間はセラフィーナが最初に来たときには気がつかなかったが、天井も床も黒く、薄暗い。
それでも色とりどりの花が飾られ、だいぶ明るくなっていた。
アーベルが司会進行を務めるようで、広間によく通る声が響き渡る。
広間には人が入り切れないほど集まっていて、廊下だけではなく、外にまで人が溢れていた。
人の隙間をぬい、ルードヴィグとセラフィーナは広間の奥の玉座まで歩いた。
黒い広間に白い衣装はとても映え、光って見えた。
ルードヴィグの腕にしがみつくような形のセラフィーナだったが、全体的に好意的に受け入れられているようだった。
婚姻の儀と大仰な名前がついているものの、魔族のみなさまに魔王の伴侶を紹介する場のようで、それほどかしこまったものではないようだ。
今回の場合、相手が人間ということで、いつも以上に人が集まっているようだ。
「すでに五日の蜜月もこなし──」
「アーベル、そのような面倒なことはもうよい。料理の準備もできているようだし、宴を開始するがよい」
ルードヴィグは面倒くさそうにそう言い、セラフィーナを抱き寄せた。
「これからいくらでもセラを見る機会があるだろう。なにか危害を加えるようなら、覚悟しておけ。俺からは以上だ」
「陛下」
「節度を守って、宴を楽しむがよい」
それだけ告げると、宴の会場に移動する者とルードヴィグたちに挨拶に来る者と別れた。
ルードヴィグとセラフィーナは玉座に座り、挨拶を受けた。
長蛇の行列が出来ていて、それはいつまでも途切れることがなかった。
途中、セラフィーナは何度か休憩を入れたものの、ルードヴィグはずっと対応していた。
夜も更け、日付が変わる頃になり、ようやく来客の列が途切れた。
「セラ、疲れたか?」
「さすがに。でも、ルードの方がもっと疲れているでしょう?」
「そばにセラがいてくれたから、それほど疲れていない」
その一言にセラフィーナは瞬きをした後、ポンっと手を叩いた。
「そうだわ!」
「どうした?」
「私もルードのお仕事、手伝うわ」
「俺の仕事を手伝う……?」
「ん、そうすれば、いつでも一緒にいられるわ」
広間はセラフィーナが最初に来たときには気がつかなかったが、天井も床も黒く、薄暗い。
それでも色とりどりの花が飾られ、だいぶ明るくなっていた。
アーベルが司会進行を務めるようで、広間によく通る声が響き渡る。
広間には人が入り切れないほど集まっていて、廊下だけではなく、外にまで人が溢れていた。
人の隙間をぬい、ルードヴィグとセラフィーナは広間の奥の玉座まで歩いた。
黒い広間に白い衣装はとても映え、光って見えた。
ルードヴィグの腕にしがみつくような形のセラフィーナだったが、全体的に好意的に受け入れられているようだった。
婚姻の儀と大仰な名前がついているものの、魔族のみなさまに魔王の伴侶を紹介する場のようで、それほどかしこまったものではないようだ。
今回の場合、相手が人間ということで、いつも以上に人が集まっているようだ。
「すでに五日の蜜月もこなし──」
「アーベル、そのような面倒なことはもうよい。料理の準備もできているようだし、宴を開始するがよい」
ルードヴィグは面倒くさそうにそう言い、セラフィーナを抱き寄せた。
「これからいくらでもセラを見る機会があるだろう。なにか危害を加えるようなら、覚悟しておけ。俺からは以上だ」
「陛下」
「節度を守って、宴を楽しむがよい」
それだけ告げると、宴の会場に移動する者とルードヴィグたちに挨拶に来る者と別れた。
ルードヴィグとセラフィーナは玉座に座り、挨拶を受けた。
長蛇の行列が出来ていて、それはいつまでも途切れることがなかった。
途中、セラフィーナは何度か休憩を入れたものの、ルードヴィグはずっと対応していた。
夜も更け、日付が変わる頃になり、ようやく来客の列が途切れた。
「セラ、疲れたか?」
「さすがに。でも、ルードの方がもっと疲れているでしょう?」
「そばにセラがいてくれたから、それほど疲れていない」
その一言にセラフィーナは瞬きをした後、ポンっと手を叩いた。
「そうだわ!」
「どうした?」
「私もルードのお仕事、手伝うわ」
「俺の仕事を手伝う……?」
「ん、そうすれば、いつでも一緒にいられるわ」