この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第15章 【第十五話】口淫
セラフィーナはイヤイヤと首を振り、ルードヴィグを見上げた。
「心配ない。セラは俺の伴侶だ」
「ん」
「それで、現国王の伴侶は?」
「次期国王の母君は他界しております。この方もやはり王家の血を引く姫君でしたが、身体が弱く……」
「では、今は不在なのか?」
「いえ、妹君が」
「ほう?」
「あの人は国が欲しくて私を生んだの」
「セラフィーナさま!」
エドヴァルドはセラフィーナの言葉を止めようとしたが、ルードヴィグは続けるように促した。
「あの人は、私の首を絞めながら言ったわ。『なぜ、男ではない』って」
それは今まで誰にも告げてこなかったこと。
レンナントとエドヴァルドは初耳のようで、息をのんでいた。
「私が男だったら、王位継承権は第一位だったみたいよ」
「だが、現国王に皇子がいるのだろう?」
「あの人は駄目よ。遊ぶことしか考えてないもの」
森で暮らしていても聞こえてくる次期国王の醜聞。女癖が悪く、あちこちで種を撒いていて、さらに病気も貰ってきていて死にそうなのだとか。それでも、女遊びを止めないという。
「ただ、幸いなことに、子はできてないみたい」
「では」
「次は私みたいだけど、どう考えてもあの人の傀儡にしかならないわ」
いくら抵抗したところで、それは避けられそうにない。
「もう、あの国は駄目なのよ」
「ですから、セラフィーナさまが!」
「森に逃げているような者が、国のうえに立つの?」
「なるほどな」
ルードヴィグはセラフィーナの背中をあやすように撫でながら、口を開いた。
「確かにそれは駄目だな」
「魔王っ!」
「セラが正しい」
「なにを知ったかぶりして」
「俺が魔王であるのは、単純に継承したからではないぞ」
シンと静まる室内。
「魔王は世襲制ではない」
「え、そうなの?」
「まぁ、基本は世襲なんだが、セラフィーナ、俺が言ったこと、覚えているか?」
「ん?」
「魔族は子が出来にくいと」
「あ!」
「魔王に子がいない場合、次の魔王は魔力が多い者から選ばれる」
だから選ばれたのだとルードヴィグは言う。
「それに、魔族は元を辿れば全員が始祖に繋がる。始祖の子はたくさんいるが、元は一つだ。しかも、外から血が入ってこないため、徐々に濃くなって子が出来にくくなってきている」
「心配ない。セラは俺の伴侶だ」
「ん」
「それで、現国王の伴侶は?」
「次期国王の母君は他界しております。この方もやはり王家の血を引く姫君でしたが、身体が弱く……」
「では、今は不在なのか?」
「いえ、妹君が」
「ほう?」
「あの人は国が欲しくて私を生んだの」
「セラフィーナさま!」
エドヴァルドはセラフィーナの言葉を止めようとしたが、ルードヴィグは続けるように促した。
「あの人は、私の首を絞めながら言ったわ。『なぜ、男ではない』って」
それは今まで誰にも告げてこなかったこと。
レンナントとエドヴァルドは初耳のようで、息をのんでいた。
「私が男だったら、王位継承権は第一位だったみたいよ」
「だが、現国王に皇子がいるのだろう?」
「あの人は駄目よ。遊ぶことしか考えてないもの」
森で暮らしていても聞こえてくる次期国王の醜聞。女癖が悪く、あちこちで種を撒いていて、さらに病気も貰ってきていて死にそうなのだとか。それでも、女遊びを止めないという。
「ただ、幸いなことに、子はできてないみたい」
「では」
「次は私みたいだけど、どう考えてもあの人の傀儡にしかならないわ」
いくら抵抗したところで、それは避けられそうにない。
「もう、あの国は駄目なのよ」
「ですから、セラフィーナさまが!」
「森に逃げているような者が、国のうえに立つの?」
「なるほどな」
ルードヴィグはセラフィーナの背中をあやすように撫でながら、口を開いた。
「確かにそれは駄目だな」
「魔王っ!」
「セラが正しい」
「なにを知ったかぶりして」
「俺が魔王であるのは、単純に継承したからではないぞ」
シンと静まる室内。
「魔王は世襲制ではない」
「え、そうなの?」
「まぁ、基本は世襲なんだが、セラフィーナ、俺が言ったこと、覚えているか?」
「ん?」
「魔族は子が出来にくいと」
「あ!」
「魔王に子がいない場合、次の魔王は魔力が多い者から選ばれる」
だから選ばれたのだとルードヴィグは言う。
「それに、魔族は元を辿れば全員が始祖に繋がる。始祖の子はたくさんいるが、元は一つだ。しかも、外から血が入ってこないため、徐々に濃くなって子が出来にくくなってきている」