この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第16章 【第十六話】お茶
結局、二人が眠れたのは二時間ほどだった。それでも二人は起きて、朝食を摂った。今日は初めて別々の椅子に並んで食べた。
「ね、ルード」
「なんだ」
「これ、美味しいね」
セラフィーナのにこにこ顔に、ルードヴィグも笑顔で応える。
「うむ、美味いな」
セラフィーナはルードヴィグと一緒に食事が出来て、とても嬉しかった。
その後、昨日の夜に湯浴みが出来なかったのでしたり、準備をしたりとバタバタしたが、朝の執務の時間までには用意が出来た。
ルードヴィグと一緒に執務室に向かい、セラフィーナは宣言どおり、書類仕事を手伝った。
アーベルが持ってくる書類をセラフィーナが受け取り、事前チェックをする。
「ここ、間違ってる」
「……確かに」
「さっきのも計算、間違ってた」
森の奥にいたものの、セラフィーナはいつ、王位を継いでもいいように教育を受けていた。エドヴァルドの教育の賜物だ。
「ルードヴィグより優秀ですね」
「……俺は書類仕事は苦手なんだ」
「私、頑張るよ!」
とはいっても、セラフィーナは間違いを探すことが出来るくらいだ。
陳情内容や予算申請といったことまで決裁できない。
「ところでアーベル」
「はい」
「アリシアとはどうなった?」
まさか聞かれるとは思っていなかったアーベルは、動揺した。
「女癖が悪いのは知っていたが、まさかアリシアにまで手を出すとは」
「それは……。あなたたち二人が悪いんですよ!」
「俺たちのせいか?」
まさかそう言われるとは思っていなかったため、セラフィーナは思わずアーベルを見た。
「ムラムラして、近くにいたアリシアに手を出した、と」
「ん、最低」
セラフィーナの一言がアーベルにはかなり痛かったが、顔に出さずに二人を見た。
「そんなだから、アリシアに嫌われるのよ」
「…………」
「アリシアを泣かすなんて、許さない」
「泣いていたのか? 私の腕の中では啼いて──」
「そんな情報はどうでもいい。とにかく、アリシアは優秀な人材だ。セラの後見人なのだから、大切に扱ってくれ」
アリシアのことを持ち出されると、アーベルはなにも言い返せない。
「きちんと責任を取って」
「それはもちろん。ただ──」
「ただ?」
「アリシアが諾と言ってくれず……」
「ね、ルード」
「なんだ」
「これ、美味しいね」
セラフィーナのにこにこ顔に、ルードヴィグも笑顔で応える。
「うむ、美味いな」
セラフィーナはルードヴィグと一緒に食事が出来て、とても嬉しかった。
その後、昨日の夜に湯浴みが出来なかったのでしたり、準備をしたりとバタバタしたが、朝の執務の時間までには用意が出来た。
ルードヴィグと一緒に執務室に向かい、セラフィーナは宣言どおり、書類仕事を手伝った。
アーベルが持ってくる書類をセラフィーナが受け取り、事前チェックをする。
「ここ、間違ってる」
「……確かに」
「さっきのも計算、間違ってた」
森の奥にいたものの、セラフィーナはいつ、王位を継いでもいいように教育を受けていた。エドヴァルドの教育の賜物だ。
「ルードヴィグより優秀ですね」
「……俺は書類仕事は苦手なんだ」
「私、頑張るよ!」
とはいっても、セラフィーナは間違いを探すことが出来るくらいだ。
陳情内容や予算申請といったことまで決裁できない。
「ところでアーベル」
「はい」
「アリシアとはどうなった?」
まさか聞かれるとは思っていなかったアーベルは、動揺した。
「女癖が悪いのは知っていたが、まさかアリシアにまで手を出すとは」
「それは……。あなたたち二人が悪いんですよ!」
「俺たちのせいか?」
まさかそう言われるとは思っていなかったため、セラフィーナは思わずアーベルを見た。
「ムラムラして、近くにいたアリシアに手を出した、と」
「ん、最低」
セラフィーナの一言がアーベルにはかなり痛かったが、顔に出さずに二人を見た。
「そんなだから、アリシアに嫌われるのよ」
「…………」
「アリシアを泣かすなんて、許さない」
「泣いていたのか? 私の腕の中では啼いて──」
「そんな情報はどうでもいい。とにかく、アリシアは優秀な人材だ。セラの後見人なのだから、大切に扱ってくれ」
アリシアのことを持ち出されると、アーベルはなにも言い返せない。
「きちんと責任を取って」
「それはもちろん。ただ──」
「ただ?」
「アリシアが諾と言ってくれず……」