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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第17章 【第十七話】順番
「ディーサ」
「っ!」
「そう、やっぱりあの人なのね」
セラフィーナは女性の反応に、自分の生みの親が関わっていることを知った。
「ルードヴィグ、離していいわ」
「しかし」
「だって、ここは魔族の領域なのでしょう?」
「そうだが」
「逃がしても問題ないわ。どうせ生きて王国にはたどり着けないでしょうから」
ルードヴィグは悩んだが、セラフィーナの言うとおりに離した。
女性は室内を一瞥して、それから廊下に走り出た。
にわかに廊下が慌ただしくなったが、セラフィーナには関係ない。
「なぜ、逃がした」
「殺した方がよかった?」
「いや」
状況が分からないのは、ルードヴィグの両親だ。ポカンとして二人のやり取りを見ていた。
「ルードヴィグ?」
「今、あなたたちは殺されかけた」
「えっ?」
「ごめんなさい、私のせいだわ」
セラフィーナはルードヴィグの両親に頭を下げた。
「まさかこんなところまで来るとは思ってなかった」
「あの、まったく状況が分からないのだけど」
セラフィーナは少しの間、視線を伏せて考えた。
正直、セラフィーナも驚いている。
実の母に殺されかけて、森に逃げてきてから怖いほどなにもなかった。それなのに急に再び、セラフィーナを殺そうとしたばかりか、周りの人たちまで巻き込んできた。
「毒」
セラフィーナの呟きに、ルードヴィグが応える。
「どれほどの毒性があるものか分かるか?」
「多分だけど、執務室にあった毒草はそこまで強いものではないわ」
飲むとお腹を壊す程度の毒性ではないかとセラフィーナは推測した。
「でも、さっきのお茶は違う」
どう考えても死に至る毒だった。
その証拠に、給仕していた女性はセラフィーナの命令を拒否して茶器を落とした。
「知らない顔だった」
「どうして言い切れる?」
「だって、私の従者が身につける制服を着ていた」
セラフィーナが考案したわけではなく、エドヴァルドが区別をするために制服を用意していた。
セラフィーナはもちろん、制服だけで区別しているわけではない。森の屋敷にはそれなりの人はいたが、セラフィーナの身の回りを世話する人は限られていたし、みな、顔見知りだ。
制服さえ着ていれば騙せるとでも思われていたのなら、心外だ。
「他に紛れ込んでいないか、確認したい」
「分かった。時間を取ろう」
「っ!」
「そう、やっぱりあの人なのね」
セラフィーナは女性の反応に、自分の生みの親が関わっていることを知った。
「ルードヴィグ、離していいわ」
「しかし」
「だって、ここは魔族の領域なのでしょう?」
「そうだが」
「逃がしても問題ないわ。どうせ生きて王国にはたどり着けないでしょうから」
ルードヴィグは悩んだが、セラフィーナの言うとおりに離した。
女性は室内を一瞥して、それから廊下に走り出た。
にわかに廊下が慌ただしくなったが、セラフィーナには関係ない。
「なぜ、逃がした」
「殺した方がよかった?」
「いや」
状況が分からないのは、ルードヴィグの両親だ。ポカンとして二人のやり取りを見ていた。
「ルードヴィグ?」
「今、あなたたちは殺されかけた」
「えっ?」
「ごめんなさい、私のせいだわ」
セラフィーナはルードヴィグの両親に頭を下げた。
「まさかこんなところまで来るとは思ってなかった」
「あの、まったく状況が分からないのだけど」
セラフィーナは少しの間、視線を伏せて考えた。
正直、セラフィーナも驚いている。
実の母に殺されかけて、森に逃げてきてから怖いほどなにもなかった。それなのに急に再び、セラフィーナを殺そうとしたばかりか、周りの人たちまで巻き込んできた。
「毒」
セラフィーナの呟きに、ルードヴィグが応える。
「どれほどの毒性があるものか分かるか?」
「多分だけど、執務室にあった毒草はそこまで強いものではないわ」
飲むとお腹を壊す程度の毒性ではないかとセラフィーナは推測した。
「でも、さっきのお茶は違う」
どう考えても死に至る毒だった。
その証拠に、給仕していた女性はセラフィーナの命令を拒否して茶器を落とした。
「知らない顔だった」
「どうして言い切れる?」
「だって、私の従者が身につける制服を着ていた」
セラフィーナが考案したわけではなく、エドヴァルドが区別をするために制服を用意していた。
セラフィーナはもちろん、制服だけで区別しているわけではない。森の屋敷にはそれなりの人はいたが、セラフィーナの身の回りを世話する人は限られていたし、みな、顔見知りだ。
制服さえ着ていれば騙せるとでも思われていたのなら、心外だ。
「他に紛れ込んでいないか、確認したい」
「分かった。時間を取ろう」