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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第17章 【第十七話】順番
取り残されているルードヴィグの両親に気がついて、セラフィーナはぎこちない笑みを浮かべた。
「挨拶が遅れたばかりか、あなたたちを身の危険に巻き込んで、申し訳ございません」
「セラフィーナのせいではなかろう」
「私のせいよ」
顔を伏せているセラフィーナに、ルードヴィグは屈み込んで顔を見た。
なにも写してない瞳に、ルードヴィグは胸が痛んだ。まだ、泣きそうな顔をされていた方がよかった。
「なんだか取り込み中のようだね」
それまでずっと黙っていたルードヴィグの父親がようやく口を開いた。
セラフィーナは視線を向けて、ルードヴィグによく似ていると思った。
「やはり突然の訪問はよくなかったか」
「そんなことはない、と言いたいところだが、今回は残念なことに事情が事情だけに事前連絡は欲しかった」
セラフィーナほどではないけれど、ルードヴィグも少し複雑な家庭環境のようだ。
「また、改めて来るよ」
「いや、こちらから改めて報告に行く」
そして、ルードヴィグの両親は応接間から出て行った。
「これ」
セラフィーナは二人がいなくなったことを確認して、口を開いた。
「調べる?」
「お茶か?」
「ん」
「入手経路は気になるが、もっと気になることがある」
ルードヴィグはなにか気になるようだったが、言葉を濁した。
だが、セラフィーナはルードヴィグが口にしなかったことをハッキリと言葉にした。
「どうしてこのタイミングであの人は殺そうとしてきたのか」
「セラ!」
「それとも、そう見せかけた魔族のだれかの工作?」
「…………」
「ルードヴィグ、それはないから安心して」
「なぜ、そう言い切れる」
「ね、ルードヴィグ。昨日、話したこと、覚えてる?」
昨日、話したこととは、エドヴァルドとレンナントと話したことだろう。
「あの人はね、実の兄と子どもを作ってでも権力が欲しいのよ」
「自ら進んで?」
「ん」
そして、セラフィーナは哀しそうに笑った。
「私が魔王の伴侶になったから、私を殺して取って代わろうと思ってるのよ」
「は?」
「突拍子もないことを言ってると思うかもしれないけど、あの人はそういう人なのよ」
「いや、まったく意味が分からないんだが」
「挨拶が遅れたばかりか、あなたたちを身の危険に巻き込んで、申し訳ございません」
「セラフィーナのせいではなかろう」
「私のせいよ」
顔を伏せているセラフィーナに、ルードヴィグは屈み込んで顔を見た。
なにも写してない瞳に、ルードヴィグは胸が痛んだ。まだ、泣きそうな顔をされていた方がよかった。
「なんだか取り込み中のようだね」
それまでずっと黙っていたルードヴィグの父親がようやく口を開いた。
セラフィーナは視線を向けて、ルードヴィグによく似ていると思った。
「やはり突然の訪問はよくなかったか」
「そんなことはない、と言いたいところだが、今回は残念なことに事情が事情だけに事前連絡は欲しかった」
セラフィーナほどではないけれど、ルードヴィグも少し複雑な家庭環境のようだ。
「また、改めて来るよ」
「いや、こちらから改めて報告に行く」
そして、ルードヴィグの両親は応接間から出て行った。
「これ」
セラフィーナは二人がいなくなったことを確認して、口を開いた。
「調べる?」
「お茶か?」
「ん」
「入手経路は気になるが、もっと気になることがある」
ルードヴィグはなにか気になるようだったが、言葉を濁した。
だが、セラフィーナはルードヴィグが口にしなかったことをハッキリと言葉にした。
「どうしてこのタイミングであの人は殺そうとしてきたのか」
「セラ!」
「それとも、そう見せかけた魔族のだれかの工作?」
「…………」
「ルードヴィグ、それはないから安心して」
「なぜ、そう言い切れる」
「ね、ルードヴィグ。昨日、話したこと、覚えてる?」
昨日、話したこととは、エドヴァルドとレンナントと話したことだろう。
「あの人はね、実の兄と子どもを作ってでも権力が欲しいのよ」
「自ら進んで?」
「ん」
そして、セラフィーナは哀しそうに笑った。
「私が魔王の伴侶になったから、私を殺して取って代わろうと思ってるのよ」
「は?」
「突拍子もないことを言ってると思うかもしれないけど、あの人はそういう人なのよ」
「いや、まったく意味が分からないんだが」