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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第19章 【第十九話】独り占め
ルードヴィグの言葉に、エドヴァルドとレンナントは大きなため息を吐いた。
そして、エドヴァルドがおもむろに口を開いた。
「王妃が」
「そうだ。おまえたちも思い当たる節はあるのだろう?」
エドヴァルドとレンナントは顔を見合わせ、嫌そうにレンナントが口を開いた。
「王妃は、セラフィーナさまを殺そうとした」
「知っている」
「おれの到着が遅ければ、セラフィーナさまは死んでいた」
レンナントは目撃者だったばかりか、救出者でもあった。
「おれとエドヴァルドは、陛下に命令されて、森の奥の屋敷にセラフィーナさまを──」
「待て」
「なんだ」
「セラフィーナが森の屋敷に隔離されたのは」
「陛下の命令だ」
セラフィーナは初耳だったようで、驚いてルードヴィグを見た。
「まぁ、国王の実の娘でもあるから、そういう対応になるな」
「陛下は、皇子よりセラフィーナさまをかわいがっておられました」
セラフィーナの記憶の中の国王は、印象が薄い。
顔を合わせたのはたぶん、数度しかない。しかも、顔合わせをしたときは国王が実の父であると認識していなかったときだ。
「陛下は、皇子よりセラフィーナさまに継がせたいとおっしゃってました」
「大切な娘だからゆえ、隠したと」
「はい」
セラフィーナは信じられなくて、首を振った。
確かに、森の奥に閉じ込められているような生活だったのに、教育は為政者に必要なものばかりであったような気もする。
「エドヴァルドとレンナントは」
セラフィーナは拳を握り締め、意を決して口を開いた。
「陛下の手先だったの?」
「最初はそうでした」
「エドヴァルド!」
はっきりと答えたエドヴァルドに、レンナントは非難の声を上げた。
「おれは違うぞ!」
「レンナントは違うのでしょうが、私は最初、陛下の命令だから従っていたまでです」
だけど、とエドヴァルドは続ける。
「今は違います。こんな男の伴侶になってしまったようですが、私はセラフィーナさまこそ、次期国王に相応しいと思っています」
「それは買いかぶりすぎ」
エドヴァルドはセラフィーナにジッと視線を向けた。
「それとも、打倒ラートウトル王国を胸に秘め、この男の伴侶になったとでも?」
そんなこと考えたこともなかったセラフィーナは、思いっきり首を振った。
「私は」
そして、エドヴァルドがおもむろに口を開いた。
「王妃が」
「そうだ。おまえたちも思い当たる節はあるのだろう?」
エドヴァルドとレンナントは顔を見合わせ、嫌そうにレンナントが口を開いた。
「王妃は、セラフィーナさまを殺そうとした」
「知っている」
「おれの到着が遅ければ、セラフィーナさまは死んでいた」
レンナントは目撃者だったばかりか、救出者でもあった。
「おれとエドヴァルドは、陛下に命令されて、森の奥の屋敷にセラフィーナさまを──」
「待て」
「なんだ」
「セラフィーナが森の屋敷に隔離されたのは」
「陛下の命令だ」
セラフィーナは初耳だったようで、驚いてルードヴィグを見た。
「まぁ、国王の実の娘でもあるから、そういう対応になるな」
「陛下は、皇子よりセラフィーナさまをかわいがっておられました」
セラフィーナの記憶の中の国王は、印象が薄い。
顔を合わせたのはたぶん、数度しかない。しかも、顔合わせをしたときは国王が実の父であると認識していなかったときだ。
「陛下は、皇子よりセラフィーナさまに継がせたいとおっしゃってました」
「大切な娘だからゆえ、隠したと」
「はい」
セラフィーナは信じられなくて、首を振った。
確かに、森の奥に閉じ込められているような生活だったのに、教育は為政者に必要なものばかりであったような気もする。
「エドヴァルドとレンナントは」
セラフィーナは拳を握り締め、意を決して口を開いた。
「陛下の手先だったの?」
「最初はそうでした」
「エドヴァルド!」
はっきりと答えたエドヴァルドに、レンナントは非難の声を上げた。
「おれは違うぞ!」
「レンナントは違うのでしょうが、私は最初、陛下の命令だから従っていたまでです」
だけど、とエドヴァルドは続ける。
「今は違います。こんな男の伴侶になってしまったようですが、私はセラフィーナさまこそ、次期国王に相応しいと思っています」
「それは買いかぶりすぎ」
エドヴァルドはセラフィーナにジッと視線を向けた。
「それとも、打倒ラートウトル王国を胸に秘め、この男の伴侶になったとでも?」
そんなこと考えたこともなかったセラフィーナは、思いっきり首を振った。
「私は」