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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第20章 【第二十話】黒い
セラフィーナの周りの従者たちの護衛の手はずは整った。
次はエドヴァルドとレンナントについてだ。
「おまえたちにも魔族の護衛をつける」
「必要ない」
「それでは、どうやってここから王国まで行く?」
「森を通って……」
「何日かかると思っている。それに、あの森は凶暴な生き物が多い。生きて出られればいいがな」
それを知っていたセラフィーナはだからこそ、あの偽侍女を離したのだ。
「そうだ」
セラフィーナは目を輝かせてルードヴィグを見た。
「さっきの侍女、使える」
「どうしておまえはろくでもないことばかり考えつくんだ」
「たぶん、森で困ってる。二人は偶然を装って助けて、一緒にあの人のところに行けばいい」
「あの侍女が一人でここに来たとは思えないんだが」
「そこは確かに気になるところだけど、きっと使い捨てにされる」
毒殺に成功してもしなくても、あの偽侍女は命がないのは目に見えている。
「そこも合わせて調べてきてほしい」
「命を狙われていたのに助けろだとか、お人好しも甚だしいな」
「違う。どうせあの偽侍女は死ぬ。あの人が生かしておくとは思えない」
「まさか、きちんと死んだかどうか、はっきりさせたいとか言わないよな?」
「そのまさか」
その一言に、ルードヴィグはセラフィーナの評価を変えなければならないことに気がついた。
なにも知らないお姫さまだと思っていたがそうではない。非情なところを合わせ持つということを知った。
「私は怒っている。私だけではなく、周りも巻き込むなんて」
「俺はセラフィーナが殺されたら、王国を滅ぼすところだった」
「ん、お互いさま。ルードの大切なものを壊そうとした。許せない」
「それなら、もっと自分を大切にしろ」
「ん、努力する」
今までのことを思えば、その返事は前向きで、嬉しくなったルードヴィグはセラフィーナの頭を撫でた。
「あなたたちを見ていると、胸焼けがします」
「魔王よ、そんなにセラフィーナさまに触れるな」
「なに、嫉妬か?」
「違う! 不愉快だ!」
「ルード、二人には奥さんがいる」
「そうなのか」
「二人は私の兄みたいなもの」
次はエドヴァルドとレンナントについてだ。
「おまえたちにも魔族の護衛をつける」
「必要ない」
「それでは、どうやってここから王国まで行く?」
「森を通って……」
「何日かかると思っている。それに、あの森は凶暴な生き物が多い。生きて出られればいいがな」
それを知っていたセラフィーナはだからこそ、あの偽侍女を離したのだ。
「そうだ」
セラフィーナは目を輝かせてルードヴィグを見た。
「さっきの侍女、使える」
「どうしておまえはろくでもないことばかり考えつくんだ」
「たぶん、森で困ってる。二人は偶然を装って助けて、一緒にあの人のところに行けばいい」
「あの侍女が一人でここに来たとは思えないんだが」
「そこは確かに気になるところだけど、きっと使い捨てにされる」
毒殺に成功してもしなくても、あの偽侍女は命がないのは目に見えている。
「そこも合わせて調べてきてほしい」
「命を狙われていたのに助けろだとか、お人好しも甚だしいな」
「違う。どうせあの偽侍女は死ぬ。あの人が生かしておくとは思えない」
「まさか、きちんと死んだかどうか、はっきりさせたいとか言わないよな?」
「そのまさか」
その一言に、ルードヴィグはセラフィーナの評価を変えなければならないことに気がついた。
なにも知らないお姫さまだと思っていたがそうではない。非情なところを合わせ持つということを知った。
「私は怒っている。私だけではなく、周りも巻き込むなんて」
「俺はセラフィーナが殺されたら、王国を滅ぼすところだった」
「ん、お互いさま。ルードの大切なものを壊そうとした。許せない」
「それなら、もっと自分を大切にしろ」
「ん、努力する」
今までのことを思えば、その返事は前向きで、嬉しくなったルードヴィグはセラフィーナの頭を撫でた。
「あなたたちを見ていると、胸焼けがします」
「魔王よ、そんなにセラフィーナさまに触れるな」
「なに、嫉妬か?」
「違う! 不愉快だ!」
「ルード、二人には奥さんがいる」
「そうなのか」
「二人は私の兄みたいなもの」