この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
瀬音とボクとよしみくん
第16章 神様お願い
段ボールに手を入れた瞬間、生徒会長が、いきなりボクの手をわしづかみする。
「わたしの目がごまかせるとでも?」
「え? いや、ちがうよ」
お願い、見逃してよ。
「不正は許さん。そうまでして、伝統のフォークダンスの女装をさけようなんて、恥ずかしくないのかっ!」
熱血生徒会長で有名なだけあって、なにやら熱い。
ボクの手にあったアタリくじは生徒会長に奪われる。
違うのに。
これは、アタリだって。
「何? ちゃんと引いたよ」
今、開けば、それがわかるのに。
わざわざアタリをもらう奴なんていないから。
「いや、なにやら、副会長からくじをもらったように見えた」
「そんなわけないって」
「いや、入れた瞬間に掴んだのに、何故くじを持っている?」
「入れた瞬間に掴んだって」
「いや、ありえない」
「とりあえず、開けてみてよ」
そうすれば、わかるから。
「いや、駄目だ。不正は許さない」
「不正じゃないって。副会長がそんなことするはずないでしょ?」
「うん? う~ん。たしかに……」
生徒会長は急に黙った。
日頃のゆかりちゃんの行いのおかげだ。
「副会長、どうなんだ?」
「まったく知りません」
ゆかりちゃんは無表情で答える。
いつものゆかりちゃんだ。
さすがだ。
たぶん、女子を決める時も同じようにしたはずなのに。
おそらく、その時は、たまたま生徒会長がいなかった?
もう、今日もそうだったら100%OKだったのに。
「わたしの目がごまかせるとでも?」
「え? いや、ちがうよ」
お願い、見逃してよ。
「不正は許さん。そうまでして、伝統のフォークダンスの女装をさけようなんて、恥ずかしくないのかっ!」
熱血生徒会長で有名なだけあって、なにやら熱い。
ボクの手にあったアタリくじは生徒会長に奪われる。
違うのに。
これは、アタリだって。
「何? ちゃんと引いたよ」
今、開けば、それがわかるのに。
わざわざアタリをもらう奴なんていないから。
「いや、なにやら、副会長からくじをもらったように見えた」
「そんなわけないって」
「いや、入れた瞬間に掴んだのに、何故くじを持っている?」
「入れた瞬間に掴んだって」
「いや、ありえない」
「とりあえず、開けてみてよ」
そうすれば、わかるから。
「いや、駄目だ。不正は許さない」
「不正じゃないって。副会長がそんなことするはずないでしょ?」
「うん? う~ん。たしかに……」
生徒会長は急に黙った。
日頃のゆかりちゃんの行いのおかげだ。
「副会長、どうなんだ?」
「まったく知りません」
ゆかりちゃんは無表情で答える。
いつものゆかりちゃんだ。
さすがだ。
たぶん、女子を決める時も同じようにしたはずなのに。
おそらく、その時は、たまたま生徒会長がいなかった?
もう、今日もそうだったら100%OKだったのに。