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瀬音とボクとよしみくん
第18章 おまけ① デート
「……せっ」


「せ?」


瀬音くん?
だった。


助けてくれた人は、よくみると瀬音くんだ。


後ろ姿だったとはいえ、なんで気づかなかったんだろう。


でも、この状況が怖すぎて、気づけるわけなかった。


ホッとしたのと、同時にびっくりして、ボクは慌ててマスクの位置をしっかりと直し、顔も背ける。


え?
えぇ?


なんで?
瀬音くんが?


バレてない?
よね?


女装してるなんて知れたら、なんて言われるか。


「何? どこかで会った? 知り合いだっけ?」


瀬音くんは、自分の名前を言われたのかと、ボクの顔を覗き込む。


やばいよ~
ばれちゃう。


「せ……せ……センキューべ、ベリーマッチ。イエ、ゼンゼン、シラナイデス」


ボクは何故か、外人の振りをしてしまった。


バカだ。
言ってて恥ずかしい。


「え? 外人? そっか、どうりで」


マリアちゃんから借りたカツラはちょっと明るめの茶髪だった。


意外にも信じたみたいだ。


マスクもしてるし、ボクが純だとは気づいていない。


「じゃ、気をつけて」


あ、


「待って、お礼を……シタイデス」


そそくさと帰る瀬音くんを呼び止める。


バレるから、このまま別れるのがいいはずなのに。


「別にいいよ」


カッコつけないでよ瀬音くん。


「あ、じゃあ、ゲームを一緒に……シテクレマセンカ? ハジメテデ」


「あぁ、それならいいよ」


「よかった」


なんでだろう。


別に、秘密の遊びができるわけじゃないのに。


瀬音くんとなら、男の子同士の方が盛り上がるはずなのに。
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