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瀬音とボクとよしみくん
第24章 有貴くん⑤ 再会
「……そこの君……舞台からおりなさい」


メガホンのマイクを持った先生が、会場の一番後ろから、純ちゃんに向けて注意している。


先生は舞台に上がろうと前に進んでくる。


それを観客が止めに入る。


「やめ……やめ、君たち、やめなさいっ」


会場はちょっとした騒ぎに。


会場中が純ちゃんをマリアだと思ってる。
先生も、本物のマリアだと思って、劇をとめようとしている。


それをとめようと観客が先生をおさえつける。


純ちゃんは、困ったような顔で、とまどってる。


劇を続けるべきかどうか。


先生に注意される前に、純ちゃんは逃げようとしている。


「え、なんで?」


純ちゃんは、台詞ではないのか、本音をつぶやく。


舞台はもうすすめられない。


「ごめんなさい、王子様、悪い魔女にみつかっちゃったみたい。もう行かなきゃ」


「え?」


「誰が魔女ですかっ……ピーガガ」


先生が観客を押しのけて舞台間近まできて上がる寸前だ。
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