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瀬音とボクとよしみくん
第27章 女子校潜入▽
振り向くと、そこには、ザ体育教師の出で立ちの男性がいた。


角刈りで、筋肉質。
ジャージ姿で手には竹刀。


今時珍しすぎる。
しかも、女子校に。


「なんですか?」


ゆかりちゃんは先生に逆質問する。


その冷静すぎる対応とは真逆に、ボクは生きた心地がしない。


バレた?


急に心臓がバクバクする。


先生には背を向けて、顔を隠す。


「なんですか、ではない。何をやってるのか聞いてるんだっ」


先生の語気はさらに荒くなる。


「水泳に決まってるじゃないですか」


ゆかりちゃん、もう少し、丁寧に。


ゆかりちゃんはボクに対してもキツいけど、他の人にはさらにキツいようだ。


「水泳部か?」


「違いますけど」


「水泳部じゃないやつがなにをしてるんだ」


「ちゃんと許可は取ってます」


お願い、もう少し、優しく説明を。


一歩間違えば、ボクは女子校に不法侵入した犯罪者に……


だから、無理だって言ったのに。


「何年何組の、誰だ、名前はっ?」


「三年星組の、金城ゆかりですが」


「そっちは……」


え?


ボクですか?


あぁ、詰んだ。
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