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瀬音とボクとよしみくん
第27章 女子校潜入▽
「おい、お前は……」


「あ、はい、あの……」


ボクはゆっくりと振り返る。


言えるわけがない。


言い淀んでいると、先生の視線が突き刺さってくる。


目でわかる。


目があった瞬間、誰だお前は、と言ってる。


終わった。


「三年花組……」


最悪の状況に、ゆかりちゃんが代わりに言ってくれた。
のに、


「お前に聞いていない。自分で言いなさい」


そんな……


「三年、は、花組? の……の……し、四季マリアです」


「四季、マリアか?」 


先生がボクの全身を見る。


あぁ、なんてことを。


つい、マリアちゃんの名前を口に出す。
少し似てるって言われただけなのに。
だから、劇では精一杯マリアちゃんの振りをした。


いったい、どれだけの人がマリアちゃんだと思ってくれただろう。


でも、劇とは違う。
こんな間近で、明るい場所だと、そんなハッタリが通じるわけない。


マリアちゃんを知ってる人ならすぐに嘘だってバレてしまう。


それどころか、全身が見える水着姿だから、そもそも男だって、バレバレだ。


先生は完全に疑っている。
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