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瀬音とボクとよしみくん
第30章 有貴くん⑥ 失恋
「お、おい、純、なにやってんだ。カツアゲじゃ……」
「だから、そうじゃないの」
「そうじゃないって、説明してくれ」
「送ってくれたの、峰岸くんが」
「峰岸くん? 知り合いか?」
こんな不良と。
「何言ってるの? 同じ学校じゃない」
そういえば、そうかもしれない。
なんとなく見覚えが。
恐くてわからなかった。
でも、こんな、金髪で、鼻ピつけてる奴近づきたくないからな。
「電車が止まってて、困っていたら、たまたま峰岸くんと会って、バイクで送ってくれたの。だから、お礼にって」
「お礼に五千円は高いだろ」
純はお人好しすぎる。
「だって、タクシーに乗ったらそれぐらいは」
「かかんねぇよ。んなに。だいいちバイクでダチ乗せるのに、金もらえるわけねぇだろ」
「そうなの? わかった。でも、本当にありがとうね。峰岸くんがいてくれて助かった」
「いいって」
不良の峰岸くんが照れる。
なんだ?
純の笑顔にやられたのか?
「あと、その……」
峰岸は、さっきまで俺に見せていた態度からは考えられないそぶりを見せる。
「なに?」
「げ、劇、よかったぞ」
「見てくれたんだ」
「あぁ、キ、キレイだったぞ。感動した」
は、はぁー?
今、なんて言った?
「ありがとう。でも恥ずかしいよ」
なんなんだ
この二人。
「じゃあな、頑張れよ」
「うん」
まるで二人の世界を作りやがって、峰岸は俺を無視して去って行った。
「だから、そうじゃないの」
「そうじゃないって、説明してくれ」
「送ってくれたの、峰岸くんが」
「峰岸くん? 知り合いか?」
こんな不良と。
「何言ってるの? 同じ学校じゃない」
そういえば、そうかもしれない。
なんとなく見覚えが。
恐くてわからなかった。
でも、こんな、金髪で、鼻ピつけてる奴近づきたくないからな。
「電車が止まってて、困っていたら、たまたま峰岸くんと会って、バイクで送ってくれたの。だから、お礼にって」
「お礼に五千円は高いだろ」
純はお人好しすぎる。
「だって、タクシーに乗ったらそれぐらいは」
「かかんねぇよ。んなに。だいいちバイクでダチ乗せるのに、金もらえるわけねぇだろ」
「そうなの? わかった。でも、本当にありがとうね。峰岸くんがいてくれて助かった」
「いいって」
不良の峰岸くんが照れる。
なんだ?
純の笑顔にやられたのか?
「あと、その……」
峰岸は、さっきまで俺に見せていた態度からは考えられないそぶりを見せる。
「なに?」
「げ、劇、よかったぞ」
「見てくれたんだ」
「あぁ、キ、キレイだったぞ。感動した」
は、はぁー?
今、なんて言った?
「ありがとう。でも恥ずかしいよ」
なんなんだ
この二人。
「じゃあな、頑張れよ」
「うん」
まるで二人の世界を作りやがって、峰岸は俺を無視して去って行った。