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瀬音とボクとよしみくん
第30章 有貴くん⑥ 失恋
「何かあったのか?」
「え、何かって?」
「峰岸と」
「劇、見てくれたみたいだね。嬉しいね」
「そうじゃなくて、ダチって……」
「あぁ、昔、ちょっとからかわれたことがあったんだけどね。でも、今は友達で……」
いや
あれは、純に好意を抱いている顔だ。
ただの友達か?
何かあったんじゃないか?
しかも
あの劇での純の正体に気付いていなかったか、あの男。
劇の時、誰もがマリアだと思っているはずなのに、俺以外に純に気付いていた奴がいたなんて。
「有貴くんは自転車で来たの? 遠くなかった?」
「あ? あぁ、電車が止まってて参ったよ、1時間もかかってよ……」
「え? 1時間?」
「え? いやいや、違う違う。たまたま、ブラブラしてたら通りかかったんだよ。暇だからな、暇だから」
「そうなんだ」
くそっ、俺が不良から助けたと思ったら、逆かよ。
不良がまさかのヒーローだったなんて。
あぁ、俺が、もう少し駅で待っていれば……
「有貴くんは出ないの? 記録会」
「あぁ」
「有貴くんなら、絶対にいい所までいけるのに」
「いいよ、俺は」
瀬音に勝てるわけねぇからな。
「じゃあ、頑張れよ」
「うん」
「え、何かって?」
「峰岸と」
「劇、見てくれたみたいだね。嬉しいね」
「そうじゃなくて、ダチって……」
「あぁ、昔、ちょっとからかわれたことがあったんだけどね。でも、今は友達で……」
いや
あれは、純に好意を抱いている顔だ。
ただの友達か?
何かあったんじゃないか?
しかも
あの劇での純の正体に気付いていなかったか、あの男。
劇の時、誰もがマリアだと思っているはずなのに、俺以外に純に気付いていた奴がいたなんて。
「有貴くんは自転車で来たの? 遠くなかった?」
「あ? あぁ、電車が止まってて参ったよ、1時間もかかってよ……」
「え? 1時間?」
「え? いやいや、違う違う。たまたま、ブラブラしてたら通りかかったんだよ。暇だからな、暇だから」
「そうなんだ」
くそっ、俺が不良から助けたと思ったら、逆かよ。
不良がまさかのヒーローだったなんて。
あぁ、俺が、もう少し駅で待っていれば……
「有貴くんは出ないの? 記録会」
「あぁ」
「有貴くんなら、絶対にいい所までいけるのに」
「いいよ、俺は」
瀬音に勝てるわけねぇからな。
「じゃあ、頑張れよ」
「うん」