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瀬音とボクとよしみくん
第30章 有貴くん⑥ 失恋
デートは遊園地。
それは本当に楽しく、俺の人生において最高に至福の時間だった。


きっと、これからもこんな楽しいデートはないんだろうなと思った。


一回きりの最後のつもりだった。


純ちゃんと純が同一人物で、それはつまり、純ちゃんが男だったということ。


自分でも、どうしたいのかわからない。


心の整理がつかないままだった。


というか、いまだに純と純ちゃんが同一人物とは信じられない気持ちも確かにあった。


やっぱり、ショックだったのか、信じたくなかったのか。


だから、その現実を、そして、自分の気持ちも確かめたかったのかもしれない。


でも、会ったら、余計にわからなくなる。


恥ずかしそうにする純。


満面の笑顔の純。


ゲームに負けて悔しがる純。


絶叫系を本気で怖がる純。


初恋の中の純ちゃんと、今まで接してきた純の姿が交差して混ざり合う。


そして、それは、やっぱりかわいい。


てか、超絶かわいい。


あまりにかわいすぎて、何度キスをしたかったことか。


でも、それだけは我慢した。


二度と純に嫌われたくなかったから。


初恋の思い出を、この楽しいデートのまま、キレイな思い出として終わらせようと思った。


はじめはそんなことを思っていた。


でも、あまりに楽しかったから、このまま終わらせたくなくなってきたんだ。


ながばあきらめようと思っていたのに、あきらめきれなくなる。


だんだんと、純ちゃんが男でも構わないと思いはじめる。


そんなのどうでもいい。


やっぱし最後は嫌だった。


純ちゃんと
いや、純と付き合いたい。
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