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瀬音とボクとよしみくん
第32章 麻里亜の仮面
「……なんて言ったの? ごめん、聞き取れなかった」


「駆け落ちだよ、駆け落ち。やっぱり驚いた?」


聞き間違いじゃ、ない?


「な、な、な、なんで?」


「……結婚、しよう」


「け、け、け、結婚?」


ボクの頭の処理能力では追いつかず、パンクしてしまいそうだよ。


これは一体どういう?


だって、ボクたちは、たしか卒業式のフォークダンス以来の再会なんだよね。


だったら、こんな展開は絶対ありえないわけで……


「さぁ、早く、電車に」


ぅえ?


瀬音くんは返事も聞かずにボクの手を引き、駅の中へと。


「もう、君とは絶対に離れないから……」


瀬音くんはボクの手を握って、ずっと甘い言葉をかけてくれる。


本当なら、嬉しいけど……
でも、それはたぶんボクに対してではない。


「麻里亜、これから一生、君を守っていくからね」


やっぱり……
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